温暖な気候を好む夏野菜!

みずみずしい食感で、緑色が鮮やかなキュウリは、サラダなどの彩りに欠かせない食材。キュウリの名は「黄瓜」が語源とされ、熟すと黄色くなりますが、緑色の未熟なものが収穫されています。日本に伝わったのは10世紀と言われ、当初は苦みが強い品種だったためにあまり人気がなく、本格的に栽培が始まったのは品種改良が進んだ幕末以降です。ハウス栽培が盛んで一年中店頭で見かけることができますが、キュウリは夏野菜で、6〜9月は露地栽培のものが出回ります。生産量が多いのは、温暖な気候の宮崎県、大消費地の首都圏に近い群馬県です。

身体を冷やす、暑い夏の心強い味方

キュウリは90%以上が水分で、ギネスブックに「世界一栄養のない果実」と記載されてしまうほど。しかし、微量ではありますがビタミンC、カロテン、カリウムなどを含んでいます。中でもカリウムは、体内の余分な塩分を排出するはたらきがあり、夏のむくみ対策には有効な成分です。露地栽培ものが出回る旬の時期は、栄養価が高まると言われているので、積極的に食べたいもの。また、キュウリは身体を冷やす作用があることから、夏場の暑さで身体がほてる時などに食べると良いでしょう。

チクチクしたイボはおいしさの証!?

キュウリの表面にはデコボコした「イボ」がありますが、このイボが鋭くチクチクしているのは新鮮な証し。さらに緑色が濃く、固くしっかりしているものを選びましょう。太すぎるものは種が気になることが多いので避けた方が良いですが、多少曲がっていても味に影響はないので、不揃いなキュウリが安く売られていたら狙い目です。また、以前のキュウリの表面には、乾燥や水分から守るはたらきがある白い粉「ブルーム」が付いていましたが、農薬と間違えられることが多いことからブルームが発生しない「ブルームレス」品種が作られ一般的になっています。しかし、ブルーム付キュウリは、歯ざわりが良くキュウリ本来のおいしさがあるとして、再び見直されています。

サラダはもちろん、炒めても煮てもおいしい!

キュウリを買ってきたら、ポリ袋や新聞紙にくるんで冷蔵庫に立てて保存しましょう。水分に弱いので、水気は拭き取り、ポリ袋に入れる場合は水分の抜け道となるように口を開けたままで保存します。4〜5日は保存できますが、歯ごたえが悪くなったり、種の周りが変色するので、早めに食べきりましょう。端に苦みがある場合が多いので、調理する時は両端を1cmほど切り落とした方が無難です。日本ではサラダなどの生食が一般的ですが、炒めたり煮たりしてもおいしく食べられます。水分が多く、冷凍はあまり向かないので、たくさん手に入った場合にはピクルスや醤油漬けなどの保存食にするのがおススメです。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

キュウリはほとんどが水分で、栄養価はあまり高くない食材ですが、微量のビタミンCを含んでいます。しかし、キュウリに含まれる「アスコルビン酸オキシダーゼ」はビタミンCを酸化させて、栄養価を損なうことがある酵素です。この酵素は細かく刻んだり細くスライスしたりして空気に触れる部分が多くなると活性化して、ビタミンCのはたらきを弱める特徴があります。加熱したり、酢を使うと、ビタミンCを酸化させる作用がなくなるので、サラダで食べるときは酢が入ったドレッシングを使うと良いでしょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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