国内は沖縄産、輸入はフィリピン産が主流

形が松かさ(Pine:パイン)に、味がりんご(Apple:アップル)に似ていることから名付けられたパイナップル。南米大陸が原産地で、1000年以上前から食用とされていたと言われています。世界に広まったのは、コロンブスが1492年に「新大陸」を発見したのがキッカケで、ヨーロッパから現在の主要生産国であるフィリピンやタイなどの亜熱帯地方に伝わっていきました。日本には19世紀ごろに長崎へ伝わり、現在は沖縄産が国産のほぼ100%を占めていますが、輸入量の15分の1程度の生産量。希少な存在ですが、旬を迎える6〜8月の国産パイナップルは、濃厚な甘みと芳醇な香りで、人気が高まっています。輸入品は、フィリピン産が90%近くを占めています。

夏バテ対策にピッタリの「夏のフルーツ」

パイナップルは果物の中ではビタミンB1が豊富です。ビタミンB1は糖質の代謝を助けて身体のエネルギーに代える働きがあるので「疲労回復ビタミン」として知られています。また、パイナップルには酸味を感じますが、この酸味は「クエン酸」で疲労の原因となる乳酸の生成を抑制する作用が期待できる成分。また、メラニン色素を分解して、肌のシミやそばかすを防ぐと言われるビタミンCも豊富。ビタミンB1とクエン酸、ビタミンCの相乗効果で、夏バテ対策と紫外線対策にはピッタリの「夏のフルーツ」です。

パイナップルの酵素に注目!

「パイナップルは肉を柔らかくする」と聞いたことはありませんか?パイナップルにはたんぱく質分解酵素の「プロメライン」が含まれているので、肉をパイナップルやパイナップルの果汁に漬け込むと、肉が柔らかくなります。また、たんぱく質の肉類や魚類の後にデザートとして食べると、消化が良くなり胃もたれを防ぐはたらきがあります。プロメラインには腸内の腐敗物を分解する作用もあると言われ、パイナップルは食物繊維も豊富なので、腸のデトックス効果も期待できます。ただし、加熱するとこの作用は失われるので、加熱処理されたジュースや缶詰ではこれらの効能は期待できませんので、ご注意ください。

葉を下に立てて保存すると、甘くなる!?

パイナップルは追熟しないので、買ってきたらできるだけ早く食べきりたいもの。選ぶ時は、全体に丸みがあって手に取るとずっしりと重く、葉の色が濃くてきれいな緑色をしているものが良いでしょう。新聞紙などに包んで冷蔵庫の野菜室で4〜5日保存できますが、パイナップルはお尻の部分に甘みがたまる特徴があるので、葉の部分を下にして保存すると、全体に甘みが行き渡ると言われています。また、パイナップルは冷凍してもおいしく食べられます。一口サイズにカットしたものを凍らせてそのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトと一緒にミキサーやジューサーにかければ、ひんやりおいしいスムージーの出来上がりです。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

たんぱく質分解酵素プロメラインのはたらきで、肉を柔らかくする作用があることで知られるパイナップル。そのため、同じたんぱく質のはたらきで凝固するゼラチンを使ったゼリーに生のパイナップルを使うと、ゼリーが固まりません。加熱処理してある缶詰ならば作ることができるので、使い分けてください。また、未熟なパイナップルには、針のようにとがった形状のシュウ酸カルシウムが含まれていて、食べると舌がピリピリしたり、口の中が荒れることがあるので注意しましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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