品種改良で1年中食べられる食材に

煮物やきんぴら、シチューやサラダなど、多くの料理に活用される人参は、常備野菜として欠かせない食材です。人参のふるさとは中央アジアのアフガニスタンで、16世紀ごろに日本にやってきたと言われています。この時伝わったのは細長い形の東洋人参で、現在主に流通している根の先が丸い西洋人参は、江戸時代末期にヨーロッパから伝来。西洋人参のほうが栽培が容易なため主流となり、全国各地で一年を通じて収穫されるようになりました。以前は子どもが嫌いな野菜の代表格でしたが、現在は品種改良が進み、独特の「人参くささ」もなく、甘みが強い野菜として人気を集めています。

お肌にうれしいカロテンたっぷり!

カロテンは、命名の由来が英語名「キャロット」から来ているほど、人参に多く含まれている栄養素です。カロテンは粘膜の抵抗力を高める栄養素で、風邪予防や目の疲れに効果があるといわれています。また、女性にとってうれしいのは、お肌に対する様々な効能が期待できること。皮膚の粘膜を正常に保つことで、肌荒れや乾燥肌を防ぐはたらきが期待できます。また、抗酸化作用があるとされ、紫外線で発生した活性酸素を抑えることでシミ・そばかすを防いだり、皮膚の角質化を防いで肌を柔らかい状態にするなど、美肌のためには欠かせない栄養素です。

葉のおいしさ・栄養も見逃せない!

有機栽培などの人参を買うと、葉がついてくることがあります。また、関西地方では夏を中心に葉ものとして売られることも。この人参の葉はさわやかな苦みがあり、天ぷらや野菜炒め、煮びたしやおひたしなどにするとおいしく食べることができます。また、見逃せないのは葉の栄養価の高さ。カロテン、B2、Eなどのビタミンを多く含み、オレンジ色の根の部分よりもカルシウム、鉄分が多いので貧血気味の女性ならばぜひ捨てずに食べてください。葉の部分を主に使いたい場合は、できるだけ根の部分が成長していない若いものを選んだ方が、柔らかく扱いやすいです。

新聞紙にくるんで保存!

人参を選ぶ時は、表面がつるんとして傷やひび割れがなく、オレンジ色が濃いものが良いでしょう。葉のついていた切り口が茶色っぽくなっているものは鮮度が落ちています。人参は余分な水分があるとそこから傷み、さらに乾燥にも弱い食材。買ってきたら、水分を吸収し乾燥を防ぐ新聞紙で包み、立てて冷蔵庫に保存します。寒い季節は、包んだまま冷暗所に保存しても大丈夫。泥付きのものは、泥を落とさないほうが長持ちします。切ったものは切り口から乾燥して傷んでしまうので、ぴっちりとラップで包んでできるだけ早く食べきるようにしましょう。また、冷凍保存にも向いているので、食べやすい大きさに切って軽く下ゆでしてから冷凍庫へ。調理するときは冷凍のまま煮物などに使えるので便利です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

人参に多く含まれるカロテン。皮の近くに多く含まれているので、食べる時はできるだけ皮を薄くむくようにしましょう。泥付きでない洗ってある人参は、皮をむかないで食べても問題ありません。また、カロテンは脂に溶けやすい栄養素で、油分と一緒に摂取すると、体内への吸収率が上がります。きんぴらや天ぷら、バターグラッセなどは、栄養的にも理にかなった食べ方です。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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