今や国産アサリは貴重品!?

みそ汁の具の定番であるアサリは日本の食卓に最もなじみ深い貝類です。日本人にとってアサリとの付き合いは非常に古く、縄文時代の貝塚から多くの貝殻が発掘され、焼いた後が残る貝殻も多く、すでにいろいろな調理法で食べられていた形跡が残っています。日本全域に生息し、産地としては東京湾や三河湾、有明海が有名ですが、近年は漁獲量が激減。1980年代半ばのピークには14万トンだったのが、90年半ば以降から4万トン前後の漁獲量になっています。現在は中国や韓国からの輸入量が増えたうえ、稚貝を放流し、成貝になってから漁獲する養殖も多くなっています。

たっぷり食べても安心のヘルシー食材

アサリは高タンパク低脂肪のヘルシー食材です。また、貴重な栄養素も豊富で、コレステロールを排出し、動脈硬化を防ぐ栄養素として注目のタウリンや、赤血球の合成に関わり悪性貧血を防ぐビタミンB12が多く含まれています。ビタミンB12は、他にはレバーや卵に多く含まれますが、これらはコレステロール値を高める恐れがあるため、食べ過ぎには注意が必要。それに対してアサリは、逆にコレステロールを排出するはたらきのあるタウリンが豊富なため、心配は無用です。カロリーも低いので、生活習慣病や体脂肪が気になる方でも安心してたっぷり摂取してください。

冷凍保存は殻の付いたままでOK!

アサリを選ぶ時は、貝殻模様がきれいで、口をしっかり閉じているもの、塩水につけられていれば水管を長く出しているものが新鮮です。殻が割れていたり、全体に茶色っぽくなっているものは、弱っている可能性があるので避けましょう。スーパーなどで売っているアサリは砂抜き済みのものが多いですが、砂抜きする場合は1リットルに塩小さじ1杯程度の濃度の塩水を用意し、底の広い器にアサリを重ならないように並べ、新聞紙などで軽くふたをして暗くし、2時間程度置きます。この状態で冷蔵庫に入れれば数日保存することができますが、できるだけ早く食べましょう。たくさん手に入った場合は、砂抜きした状態で水切りし、殻の付いたまま冷凍保存がおススメです。

アサリのスープは旨みたっぷり!

アサリは生の状態だと食中毒を起こすことがあるので、加熱調理が必要ですが、あまり長い時間加熱すると身が硬くなってしまうので、短時間調理がポイントです。アサリにはコハク酸という旨み成分が含まれ、加熱すると旨みがアサリから出るスープに溶け出します。そのため、アサリのみそ汁を作る時はわざわざ出汁を取る必要がなく、パスタや炊き込みご飯などアサリのスープごと味わう料理には旨みがたっぷりです。みそ汁を作る時は、生のアサリならば水から入れた方が良いですが、冷凍のアサリは熱湯に入れてできるだけ短時間で調理しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

アサリに多く含まれるタウリンは、コレステロールを排出するだけでなく、肝臓を強化するはたらきも期待できます。生活習慣病やお酒の飲み過ぎが気になることが多い男性の方にはぜひ積極的に食べてほしい食材です。また、貧血予防に効果的なビタミンB12と鉄分が豊富に含まれるので、女性にとってもうれしい食材。鉄分の吸収を助けるビタミンCの多いトマトやブロッコリーと一緒に食べると、より効率良く摂取することができます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

  • 前へ
  • 次へ