ごぼうを食用とするのは少数派!?

代表的な根菜のひとつであるごぼうは、シャキシャキした歯ごたえと土っぽい独特の香りが特徴です。地中に生える「根」を食べますが、ごぼうを食用としているのは日本と韓国、台湾など世界的にみるとごく一部だけ。欧米人にとっては「木の根を食べている」と言われるほどなじみがなく、驚きの目で見られることが多いようです。ごぼうが日本にやってきたのは縄文時代と言われていますが、長く薬用としての利用が続き、食用として栽培されるようになったのは江戸時代以降。東日本のほうが土壌が柔らかく長い品種に適し、西日本はやや硬い土壌のため短い品種が多く生産されています。

ごぼうの茶色い成分は貴重な栄養素!

ごぼうは食物繊維が豊富な食材として知られています。中でも水溶性食物繊維の「イヌリン」は、腸からの糖分の吸収を緩やかにして血糖値を抑える作用があるとされ、高血圧などの生活習慣病予防効果が期待されています。さらに、腸内の善玉菌を増やして腸内環境の改善にもつながり、便秘や大腸がん予防も期待できる注目の栄養素です。また、ごぼうを切った後に水にさらすと水の色が茶色く変化しますが、この茶色い成分はコーヒーにも多く含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」で、老化やがんにつながる活性酸素を除去する抗酸化作用があると言われています。

長持ちするのは泥付きごぼう

泥付きのものと洗ったものが売られているごぼうですが、保存性が高いのは断然泥付きのもの。ごぼうは乾燥すると硬くなり「す」が入って風味が落ちるので、新聞紙にくるむなどして水分が抜けるのを防ぎ、冷暗所に立てて保存します。選ぶ時は、あまりに太いものやひび割れたものは「す」が入りやすいので避け、まっすぐ伸びてひげ根が少ないものが良いでしょう。洗いごぼうや春先から初夏に出回る柔らかい新ごぼうは、買ってきたらポリ袋やラップで密封して冷蔵庫で保存し、2〜3日のうちに食べきります。多めにもらった時などは、ささがきにして軽く下ゆでし、冷凍保存するのもおススメ。やや風味は落ちますが、豚汁や炒め物などにさっと使えるので便利です。

皮の近くに風味と栄養素あり!

ごぼうの独特の風味や栄養素は、皮の近くに多く含まれています。そのため、下ごしらえするときに皮をしっかりむいてしまうと、せっかくの風味や栄養素まで一緒に失ってしまうことに。皮は、たわしや包丁の背で泥をこすり落とす程度の気持ちで処理すると良いでしょう。また、ごぼうは空気に触れると色が黒ずむため、切った後に水にさらすのが一般的ですが、あまり長く水にさらすとせっかくの栄養素が溶け出してしまいます。状態にもよりますが、最近のごぼうはえぐみを感じるアクも少なくなってきているので、水にさらすのは5分程度の短時間で十分。水にさらした後は手早く加熱調理すれば、色の黒ずみは気になりません。さらす水に酢を少量足すと、より変色を防ぐことができます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

ごぼうに多く含まれる食物繊維は、腸内の水分を吸収して便の量を増やし、便秘を予防する効果があることで知られています。便秘予防だけでなく、食べ応えがあるので過食を防ぐダイエット効果や、体内の余分な塩分や老廃物を排出する「デトックス(解毒)」効果もあり、腸が活性化することで美肌にもつながるなど、女性にとってはメリットが多く、ぜひ積極的に摂取してもらいたい食材です。ごぼうは香りが強いので、やや臭みが気になるブリやイワシなどの青魚と一緒に煮物にするのがおススメの調理法。青魚の臭みが気にならなくなり、魚のうまみをたっぷりと吸ったごぼうも絶品のおいしさです。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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