戦後に一気に生産量が拡大!

あっさりとした味わいで、調理や味付けのアレンジも自由自在、使い勝手が良く値段も手頃な鶏肉は、食卓の登場回数が多い食材です。鶏が日本にやってきたのは弥生時代と言われていますが、主に卵を産ませるために飼育されていた時代が長く続き、本格的に食用としての生産が始まったのは明治時代以降。しかも戦前までは「鶏1羽が1週間分の給料」と言われるほどの高値で「晴れ」の日のごちそうでした。戦後にアメリカ軍が駐留したのをきっかけに鶏肉の需要が高まったことでブロイラーの養鶏技術が導入され、一気に生産量が拡大。昭和40年代頃から日本の食卓に定着しました。とはいえ、世界を見渡すと、日本の生産量・消費量はさほど多くありません。生産量ではアメリカがNo.1ですが、一人あたりの消費量ではアラブ首長国連邦やサウジアラビアなどの中東地域が多く、日本の3〜4倍も食べられているほど親しまれています。

ブロイラー、地鶏、銘柄鶏の違いとは!?

鶏肉は、「ブロイラー」「地鶏」「銘柄鶏」と品種や飼育方法により名称が異なります。日本の鶏肉生産量のうち、約90%を占めるのがブロイラー。ブロイラーとは、生後7〜8週間で出荷できるように改良された食肉用若鶏の総称です。ブロイラーは、水分が多く肉が柔らかい特徴があります。地鶏は「日本鶏の血が50%以上」「出荷日が生後80日以降」「生後28日以降は平飼い飼育(歩き回れる状態)かつ1㎡あたり10羽以下」など、品種や飼育方法の規定をクリアした鶏肉のみに表示することができます。銘柄鶏は特に基準はありませんが、通常のブロイラー飼育に日数や飼料に工夫を加えたもので、日本全国で様々な銘柄鶏がブランドとして登録されています。地鶏や銘柄鶏は、ブロイラーに比べて弾力があり味にコクがあるのが特徴です。

高タンパク低脂肪のヘルシー食材

からだをつくるタンパク質が豊富な肉類の中でも、鶏肉は低脂肪のヘルシー食材。鶏肉のタンパク質は肉の繊維が細くて柔らかいので、消化吸収率が高いと言われています。また、必須アミノ酸の一種「メチオニン」が多く含まれ、肝臓の機能を活性化するはたらきがあり、お酒の飲み過ぎや過食から来る脂肪肝を予防する効果が期待できます。鶏肉は部位によって脂肪の含有量が異なることからカロリーに大きな違いがあり、体重や体脂肪が気になる方は脂肪の少ないささみや胸肉がおススメ。柔らかくて人気の高いもも肉も、調理するときに皮と脂肪を丁寧にのぞけば、カロリーを半分程度に抑えることができます。

鮮度を見分けるポイントは皮にあり!

鶏肉は豚肉・牛肉に比べて鮮度が落ちやすいので、できるだけ新鮮な鶏肉を選びたいもの。肉汁が出ているものや白っぽい皮がついているものは避け、身は厚みがあり透明なピンク色で、皮は黄色っぽく毛穴がくっきりと盛り上がっているものが新鮮です。買ってきたらできるだけ当日、遅くても翌日までに調理するようにしましょう。あっさりしたささみや胸肉は蒸し鶏にしてサラダにしたり、さっと火を通す炒め物がおススメ。煮込み料理には、おいしい出汁が出る骨付きの手羽先や、固くなりにくいもも肉を選びましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

部位によって様々な味わいや調理法が楽しめる鶏肉。栄養的におススメなのは、骨つきの手羽肉です。手羽肉には良質のたんぱく質はもちろん、コラーゲンがたっぷりと含まれているのが特徴です。肌の構成要素であるコラーゲンは、髪や目、関節などにも存在するので、美肌だけでなく、加齢による関節痛や髪痩せなどの予防効果も期待できます。コラーゲンは水溶性ですが、手羽肉は良い出汁が出るので、スープや煮物に最適。スープまでしっかりと飲めるような薄味で調理すると無駄なく摂取できます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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