「初恋の味」の生産量No.1は千葉県!

ほのかな苦みが春の訪れを感じさせる菜の花は、カブ、大根、ブロッコリーなどと同じアブラナ科の植物。日本には弥生時代に中国から渡来してきたと言われていますが、当初は種を絞って「菜種油」として使う用途で栽培されていました。観賞用、菜種油用、食用と、用途によって品種が分かれ、食用としての菜の花が普及したのは明治時代以降と、比較的歴史が新しい食材です。温暖で日当たりの良い土地を好む菜の花の生産が盛んなのは千葉県で、全国の半数以上を生産する大産地。香川県も栽培に力を入れ、高品質が評判で生産量が急拡大している注目の産地です。

つぼみに高い栄養価がぎっしり!

菜の花は花が咲く直前のつぼみの時期に食べます。つぼみには花を咲かせるための養分がぎっしり詰まっているので、非常に栄養価が高い食材です特にベータカロテンとビタミンCの含有量は野菜の中ではトップクラス。ビタミンCは肌のうるおいに関わるコラーゲンを生成するのに欠かせない成分で、ベータカロテンも粘膜にはたらき肌荒れや乾燥肌を防ぐ役割が期待できるので、肌を美しく保つ栄養素がたっぷり含まれる美肌食材と言えます。また、骨や歯を丈夫にし、イライラ予防にも効果的なカルシウムや、貧血予防に欠かせない鉄分、体内の塩分を排出し高血圧予防が期待できるカリウムなど、ミネラル成分も豊富です。

希少な栄養素にも注目!

栄養価が高い菜の花は、ビタミンやミネラルだけでなく、希少な栄養素も含まれている優秀食材です。アブラナ科の植物に含まれる辛み成分の「イソチオシアネート」は、抗ガン作用を期待され研究が進められている注目の栄養素。異常をきたした細胞の増殖を抑えることで、ガンや血栓予防につながると期待されています。また、苦み成分の「ケンフェロール」は、体内のエネルギー燃焼のはたらきを高めるとされ、脂肪の燃焼を助けるダイエット効果が期待できます。また、臓器のはたらきを活発にして免疫力を高めるので、風邪や病気の予防につながります。

花が咲く前に、さっとゆでて調理を!

菜の花は、花が咲いていないつぼみの状態が食べ頃。選ぶときは、つぼみが締まっていて、茎の切り口がみずみずしく鮮やかな緑色のものを選びましょう。買ってきたら、乾燥を防ぐために濡らした新聞紙やクッキングペーパーに包んで、冷蔵庫保存を。できれば茎を下にして立てて保存したほうが長持ちします。花が咲いてしまうと、特有のえぐみが強くなってしまうので早めに食べ切りましょう。たくさん手に入った時は、硬めにゆでて冷凍保存してもOKです。また、調理する時は下ゆでをしますが、あまり長くゆですぎたり、水にさらし過ぎたりすると、ビタミンCなどの栄養素が溶け出し、せっかくの香りや味わいがなくなってしまいます。沸騰した湯に30秒〜1分程度のゆで時間で十分です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

菜の花の栄養価は非常に高く、パワー満点の食材ですが、その栄養の恩恵を十分に受けるには、いくつか注意が必要です。まず、ビタミンCとカリウムは水溶性なので、ゆで過ぎは禁物。また、ベータカロテンは油と一緒に食べると吸収率が高まるので、炒め物やパスタに使うと効率良く摂取できます。また、鉄分も豊富に含まれますが、菜の花の鉄分は腸で吸収されにくい「非ヘム鉄」なので、肉や魚などの動物性たんぱく質と一緒に食べることで吸収率を上げるようにしましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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