「初恋の味」の旬は寒い季節!

鮮やかな黄色と「初恋の味」と形容されるキュンとした酸味が特徴的なレモン。その見た目と味わいから、フレッシュでさわやかなイメージがある柑橘類の果物です。果汁は酸味を加えるための調味料として欠かせないレモンが日本にやってきたのは、明治時代の19世紀後半。1964年のレモン輸入自由化に伴って生産量が激減し、1981年には200t台まで落ち込みましたが、現在は9,000t台にまで飛躍的に増加しています。みかんなど他の柑橘類と同様に陽当たりの良い温暖な気候を好み、瀬戸内海地方で栽培が盛んです。中でも、広島県は国内生産量の約6割を占める断トツの生産地。まだ青い状態で収穫される「グリーンレモン」が10月頃から収穫が始まりますが、黄色く色づいたレモンは冬から早春が旬です。

ビタミンCの代名詞の理由は?

レモンといえば、「レモン×個分のビタミンC」と表現されるように、ビタミンCが多く含まれる代表的な存在。とはいえ、すっぱいレモンを1個そのまま食べることはほとんどなく、調味料として使われる程度なので、ビタミンCの摂取をレモンに頼るのは難しいものです。なぜこのような表現がよく使われるようになったかと言うと、食べられる可食部100gあたりのビタミンC含有量がちょうど100㎎で、これはちょうど大人が1日に必要なビタミンCの量にあたるとされています。さらに、レモン1個あたりに換算すると20mgのビタミンCが含まれ、わかりやすい単位として重宝されたようです。

皮を使いたい場合は国産レモンを!

レモンは香りの強い果物ですが、この香り成分はほとんど皮に含まれています。そのため、お菓子作りなどでレモンの香りを活かしたい時は皮を使いますが、輸入物のレモンはカビなどを防止するために「ポストハーベスト」と呼ばれる収穫した果実に対し農薬を使っていることが多いので、皮を使いたい場合は国産物を選んだ方が無難です。選ぶときは、形が整っていてハリがあり、軽く抑えた時に弾力を感じて、持った時にずっしりと重みを感じるものがおススメです。

余ったレモンは、はちみつ漬けがおススメ!

レモンは5~6度の冷蔵庫ならば、1カ月程度日持ちします。カットすると、切り口から傷んでくるので、切り口をラップで包んで冷蔵庫に入れて保存しますが、できるだけ早く使い切るようにしましょう。余ったレモンをスライスし、蜂蜜をかけて1~2日冷蔵庫でなじませたものをお湯や炭酸水で割れば、さわやかなドリンクになります。皮まで使える国産のレモンが大量に手に入った時は、ホワイトリカーやスピリッツなどのアルコールと氷砂糖に漬け込んでレモン酒にすると、そのまま飲んで楽しむのはもちろん、料理やお菓子の香り付けとして重宝します。輸入物のレモンは、果汁を絞って製氷皿などに入れて冷凍すれば、多少香りは落ちますが、使いたい時に少しずつ使うことができます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

レモンの酸っぱさの素は、クエン酸。クエン酸は、体内にたまった乳酸を分解するはたらきがあり、疲労回復には欠かせない成分です。激しい運動の後や疲れを感じた時には、レモンのはちみつ漬けなどで積極的にレモンを摂取するように心がけると良いでしょう。果汁を絞った後のレモンも、捨てる前にもうひとはたらき。クエン酸には消臭効果と殺菌作用があるので、キッチンのまな板やシンクをこすると、イヤなにおいも菌もスッキリ。水あかもきれいに落とすことができます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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