江戸時代までは「薬」だった!?

ステーキはもちろん、ビーフシチュー、すき焼き、しゃぶしゃぶなど、牛肉を使ったメニューが食卓に並べば、家族全員が大喜び!牛肉は、イベントや記念日など「とっておき」の日に欠かせないごちそう食材です。江戸時代までは、人の何倍もの力を持つ牛は労働力として貴重な存在だったため、食用になったのはごくわずか。非常に貴重で、食べ物というよりは滋養強壮のための「薬」として位置づけられてきました。明治時代になると、現在のすき焼きに近い「牛鍋」が大流行。一般的に牛肉が食べられるようになり、特に関西地方では「肉」といえば牛肉を指すほど、なじみ深い食材になっています。

貧血予防に欠かせない鉄分が豊富!

滋養強壮のための「薬」と位置づけられていただけあって、牛肉は栄養価の高い食材です。牛肉に豊富に含まれる動物性タンパク質は、体内で作ることができない必須アミノ酸をバランスよく含み、丈夫な身体や血液を作るはたらきがあります。また、肉類の中では鉄分が非常に多く、鶏肉や豚肉の2倍以上含まれているうえ、肉類に含まれる鉄分は植物に含まれるものよりも吸収率が高いので、効率よく鉄分を摂取することができます。さらに、赤血球が作られるときに必要なビタミンB12も豊富なので、貧血や血行不良による冷え性に悩む女性にはおススメです。

良い牛肉を選ぶポイントは、格付け項目にあり!

牛肉には「A-5」「B-4」などの格付け(等級)があり、同じ体重の牛からどれだけ多くの肉がとれるかを示す「歩留まり等級」によって、A、B、Cの3等級に分かれ、さらにその中でも肉質により5段階に格付けされます。この肉質を判断する項目は「脂肪交雑(霜降り度合い)」「肉の色沢」「肉のしまりときめ」「脂肪の色沢と質」の4項目で、店頭で牛肉を選ぶ際にも参考にすることができます。肉の色は鮮やかなピンク色(魚の鮭に似た色)でツヤがあり、肉のきめが細かく、脂肪は白かクリーム色で光沢のあるものが良い牛肉です。肉の色が黒っぽくなっているものは傷み始めていることが多いので、避けた方が良いでしょう。

部位に適した調理でおいしく食べよう!

牛肉は、部位によって味わいが大きく変わるので、適した調理法で食べることが大切です。脂肪が適度に乗り、うまみの多い肩ロースやリブロースは、すき焼きやしゃぶしゃぶなどの鍋物、焼き肉に適しています。きめ細かく柔らかいサーロインやフィレは、厚めに切るステーキにピッタリ。脂肪が少ない赤身のもも肉は、ローストビーフに向いています。また、かたいすね肉やネックは煮込み時間が必要ですが、良い出汁が出るので、ビーフシチューやポトフ、カレーなどに最適。カルパッチョなどの生肉も人気がありますが、生肉は鮮度や品質管理に厳重な注意が必要で、一般の店頭で売られているものは加熱調理を前提としていますので、家庭で食べるのは避けた方が無難です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

濃厚なうまみと、とろけるような食感の牛肉は、食べた瞬間に誰もが笑顔になる魅力を持った食材です。しかし、脂肪分の多さやカロリーが気になっている方も多いのではないでしょうか。牛肉は部位によって脂肪やカロリーに大きな差があるので、気になる方は赤身のもも肉やフィレ肉がおススメ。また、脂肪燃焼効果があるとされるカルニチンも、牛肉の赤身に多く含まれているので、ダイエットの強い味方になります。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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