春限定のみずみずしさ!

じゃがいもは保存が効き、一年中食卓に欠かせませんが、新じゃがいもは春のほんのわずかな期間だけ出回る「旬」を感じさせる食材です。新じゃがいもは、冬に植えたじゃがいもを通常の収穫期である秋よりも早く収穫したもので、皮が薄くみずみずしい食感が特徴です。冷涼な気候でじっくりと育てる北海道がじゃがいもの産地として知られているのに対して、新じゃがいもは長崎県など温暖な地域の収穫量が多くなっています。また、男爵やメークインなどの良く知られた品種も新じゃがいもとして出回りますが、「デジマ」や「ニシユタカ」も新じゃがいもに向く品種として、多く栽培されています。

じゃがいもの栄養を丸ごと摂取!

野菜の栄養とうまみは皮の付近に多く含まれる、と言われます。新じゃがいもは皮が薄く、皮ごと食べることができるので、じゃがいもの栄養を効率よく摂取できるスグレモノ。特に、じゃがいもに多く含まれるビタミンCは、長く貯蔵する普通のじゃがいもよりも、収穫直後の新じゃがいものほうが含有量が多くなります。さらに、じゃがいものビタミンCは、デンプン質に包まれているため、熱に強く壊れにくいのが特徴。また、体内の余分な塩分を体外に排出する効果を期待できるカリウムや、お腹の赤ちゃんの発育に欠かせないと言われる葉酸も多く含んでいます。

日なたと冷蔵庫での保存はNG!

保存の効くじゃがいもと異なり、新じゃがいもは水分が多く日持ちがしないので、注意が必要です。日光にあてると皮が緑色になり芽が出てきて「ソラニン」という有毒物質が発生してしまうので、新聞紙などにくるんで陽のあたらない涼しいところで保存します。果物のりんごが発するエチレンガスには、発芽を抑制する働きがあるので、一緒に保存すると芽が出る時期を遅らせることができます。ただし、冷蔵庫に入れるとデンプン質が糖質に変わって味が落ちてしまうので、必ず常温で保存を。買ってきたら1週間〜10日程度で食べきるようにしましょう。

新じゃがいもは皮ごと食べよう!

みずみずしい新じゃがいもは、皮ごと味わって「いも本来の風味」を丸ごと味わう調理法がおススメです。水分が多いため、コロッケやポテトサラダなど、つぶしてマッシュ状にする調理法は不向きですが、丸ごと茹でて「じゃがバター」にしたり、素揚げして塩コショウでシンプルに味わうのは、皮の薄い新じゃがいもならではのおいしさです。下ごしらえはよく水洗いすれば十分ですが、どうしても皮が気になる場合は、たわしで軽くこする程度に。皮が緑色の部分や、芽が出てしまった場合には、加熱しても有毒物質のソラニンは破壊されないので、念入りに除去するようにしてください。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん

スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

春の味覚である新じゃがいも。皮ごと食べられるので、じゃがいもが持つ栄養を存分に摂取できます。じゃがいもは炭水化物が多く主食としている国もあり、カロリーが高いイメージがあるかもしれませんが、100gあたりのカロリーはご飯の約半分と、意外に低カロリー。ビタミンやミネラルをバランスよく含み、特に多く含まれるビタミンCは肌に潤いを与えるコラーゲンの生成に関わるビタミンで、さらに便秘予防に欠かせない食物繊維も豊富で、女性にうれしい栄養素が詰まっています。満腹感もあるので、じゃがいもの代わりにご飯を減らすなど、上手にダイエットに活用してみましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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