写真:小豆<あずき>

古くから行事や儀式に重用される食材

赤飯や小豆がゆ、和菓子の「あん」の材料としてもおなじみの小豆。縄文時代の遺跡から発見され、古事記や日本書紀にも記述があるほど歴史は古く、食用としてはもちろん、お手玉や枕の詰め物としても使われ、日本の生活文化に深く根付いています。
日本や中国など東アジアでは、小豆の「赤」は魔除けなどの力があるとされ、行事や儀式に重用されてきました。1月15日の小正月に小豆がゆを食べる風習は平安時代に始まり、米と小豆を炊き込んだ赤飯を祝事の席で用意する風習は江戸時代に広まったと言われています。
現在の国内生産量の約80%は北海道産で、そのうち約50%が十勝地区で生産されています。

大粒の小豆「大納言」は、濃厚な風味が魅力!

小豆の中でも特に大粒で、煮ても皮が破れにくい品種は「大納言」と呼ばれ、兵庫の「丹波大納言」、京都の「京都大納言」が知られ、ブランド化しています。大納言は普通の小豆とは区別して扱われ、高値で取引されています。味が濃厚で香りが良く、粒あんや鹿の子豆に向いています。
一般的に「小豆」と呼ばれるものは、大納言以外の品種で、「中納言」とも呼ばれ、こしあんに適しています。代表品種は「エリモショウズ」で、国内の小豆作付面積の半分以上を占めます。

写真:小豆<あずき>

小豆の中には栄養がギッシリ!

古くは薬用として用いられていたほど、小豆は栄養価の高い食材です。不溶性の食物繊維が豊富で、大腸のはたらきを助け、ガンや便秘予防につながります。また、ビタミンやミネラルも豊富。糖質をエネルギーに変えて疲労を回復するビタミンB1、皮膚を丈夫にするビタミンB2,B6が特に多く含まれています。ミネラルでは、体内の余分な塩分を排出し高血圧を予防するカリウム、貧血と冷え性の改善が期待できる鉄分が豊富です。
強い抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待できるポリフェノールも豊富に含まれます。小豆の特有成分である「サポニン」には利尿作用があり、コレステロールや中性脂肪を抑制するはたらきがあります。

保存するときは虫に注意!

小豆を選ぶときは、粒が揃っていて皮が薄く、赤色が濃くてツヤのあるものが良品です。小豆は虫がつきやすいので、密閉容器に入れて気温変化の少ない冷暗所で保存します。乾燥剤や鷹の爪を入れておくのも良いでしょう。1年以上保存する場合は、冷凍保存をオススメします。
下ゆでした豆は、冷蔵庫で保存し、3~4日で使い切るようにしましょう。冷凍用ビニールパックなどに小分けにして冷凍保存すれば、1カ月ほど日持ちします。赤飯やぜんざいなど、煮汁を使って調理することが多いので、1回分ごとに煮汁と一緒に小分けにして保存しておくと便利です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

小さな豆に栄養が詰まった小豆。下ゆでした際の煮汁には、「二日酔いには小豆の煮汁」「むくみには小豆の煮汁」と古くから言われるほど、豆のうまみと栄養成分がたっぷり含まれているので、捨てずに利用しましょう。煮汁に含まれるビタミンB1には、肝臓でのアルコール分解を助ける作用があります。また、利尿作用のあるサポニンとカリウムが豊富なので、体内の余分な水分を排出し、むくみを解消してくれます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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