アフリカ原産、夏が旬のネバネバ食材

写真:オクラ

ネバネバの食感、クセのない味わいが人気のオクラ。アフリカ北東部が原産と言われ、エジプトでは紀元前から栽培されてきた歴史の古い食材です。「オクラ」は英語名で、18世紀にアメリカに伝わり、江戸時代末期にアメリカから日本に伝わりました。当初は特有の粘りが敬遠され、一般家庭の食卓に登場するようになったのは1970年代以降。
温暖な気候を好み、鹿児島県、高知県、沖縄県など南日本で生産量が多くなっています。ハウス栽培が盛んで1年中出回りますが、旬は夏。7~9月は露地栽培のものが出回り、値段も手ごろになります。人気の高まりで、近年は国内出荷量の減る冬には、フィリピンやタイから輸入されるようになりました。

インド、ナイジェリアなど、暑い国で大人気!

オクラの生産量世界No.1はインドで、630万トン以上を生産しています。2位がナイジェリアで約110万トン、スーダン、イラクなど、南アジア・中東・アフリカ諸国で多く生産されています。日本の生産量は1万2000トン程度なので、これらの地域では日本よりもなじみ深い食材です。
インドなど南アジアでは、カレーや「サブジ」と呼ばれる炒め物の定番具材。中東や北アフリカでは、トマトや肉と煮込む料理が定番で、オクラは煮込むとトロッとした食感になり、とろみ付けとして使われています。写真:オクラオクラを入れてとろみを付けたスープは「ガンボ・スープ」と呼ばれ、アメリカ南部の代表的な料理です。

ネバネバ成分で夏バテ予防!

オクラの粘りは、水溶性食物繊維の「ムチン」、モロヘイヤや里芋などにも含まれる「ペクチン」と呼ばれる成分です。ムチンは胃の粘膜を保護し、たんぱく質の吸収や消化を助けるはたらきがあるので、夏バテ予防にピッタリ。肝臓の機能を高める効能もあります。ペクチンは腸内の善玉菌の数を増やすなど整腸作用があり、コレステロールの吸収や血糖値の上昇を抑え生活習慣病を予防するはたらきもあります。
ミネラルも豊富で、体内の余分な塩分を排出し高血圧予防になるカリウム、骨や歯をつくるのに欠かせないカルシウムが多く含まれます。また、オクラは緑黄色野菜なので、皮膚や粘膜を強くし、免疫力を高めるβカロテンも豊富です。

緑色が濃くて小さめのものが良品

オクラを選ぶときは、緑色が濃くてうぶ毛がしっかりと付き、角がはっきりしているものが良品です。サイズは6~8cm程度の小さめが良く、大きすぎると育ちすぎて食感が悪くなっているので避けましょう。また、茶色くなっている部分があるものは鮮度が落ちています。
オクラは低温に弱いので、保存するときは冷やし過ぎに注意します。そのままではなく、新聞紙に包んでビニール袋などに入れて野菜室で保存しましょう。調理するときは、塩を振って表面をこする「板ずり」をすると食感も色も良くなります。ネットに入っているものは、そのまま塩を振りネットでこすりあわせます。ゆでるときは、沸騰したお湯に塩が付いたまま入れ、1〜2分ほどゆで、冷水に一度さらして、すぐにザルに上げます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

ネバネバの食感が食欲をそそるオクラ。星形のものが一般的ですが、沖縄や八丈島で生産される「島オクラ」と呼ばれる丸くて細長い形状の品種もあります。細かく刻むほど粘りが増すので、料理に合わせて切り方を変えると良いでしょう。多く手に入ったときは、冷凍保存も可能。板ずりしたオクラを30秒ほどサッと下ゆでし、そのまま、または刻んでラップなどで小分けにし、冷凍します。調理するときは、冷凍のまま味噌汁や炒め物など加熱料理に使いましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

  • 前へ
  • 次へ