シャキシャキした歯ごたえが楽しめる「砂丘らっきょう」

写真:らっきょう

箸休めやカレーの付け合わせとしておなじみのらっきょう。原産地は中国で、9世紀ごろに日本に伝わり、当時は薬用として用いられていました。江戸時代ごろに食用として広く栽培されるようになり、漬物の他にも煮たりゆでたり、多彩な調理法で食べられていたようです。旬は6~7月の初夏で、この時期だけ甘酢漬けなどの漬物用に生のままのらっきょうが店頭に出回ります。
砂地で育つらっきょうは繊維が細かく、シャキシャキした歯ごたえがあるので、砂丘地帯で栽培が古くから盛んです。鹿児島県の吹上砂丘、鳥取県の鳥取砂丘で作られるらっきょうは「砂丘らっきょう」と呼ばれ、質が良いことで知られています。鹿児島、鳥取に宮崎県を加えた3県で、全国の生産量の75%を占めています。

「エシャレット」とらっきょうの違いは?

らっきょうを生育途中で土寄せして軟白栽培し、若いうちに収穫したものが「エシャレット」です。らっきょうよりも辛みが少なく、生食に適しています。ちなみに、玉ねぎをやや小さくして細長いような形をしている西洋野菜の「エシャロット」は、まったく別の野菜です。
沖縄で古くから作られてきた「島らっきょう」は、ピリッとした辛みと香りがありますが、生のまま食べたり、塩漬けなどの浅漬にして食べます。エシャレットや島らっきょうは葉の部分がついたまま売られていることが多いですが、葉が柔らかければ、炒め物やかき揚げなどの揚げ物にして食べることができます。

カレーにらっきょうは理にかなってる?

らっきょうのピリッとした辛みは、玉ねぎやにんにくと同じ硫化アリルの一種「アリシン」です。血行を促進し、血液をサラサラにしたり、免疫力を高めるはたらきがあります。また、アリシンには、疲労回復や夏バテに効果があるビタミンB1の吸収を助けるはたらきもあります。ビタミンB1は豚肉や大豆に多く含まれるので、ポークカレーや豆カレーの付け合わせにらっきょうを使うのは、栄養的にも理にかなっています。
また、水溶性食物繊維も豊富で、コレステロールの吸収を抑制したり、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。食物繊維の一種「フルクタン」には、カルシウムの吸収を助けたり、悪玉コレステロールを減少させるはたらきがあります。

写真:らっきょう

らっきょう漬けはスピードが命!

らっきょうを選ぶときは、ふっくらとしてツヤがあり、粒が揃っているものが良品です。収穫後、切り口からすぐに芽が伸びるので、中心から長く芽が出ているものは鮮度が落ちています。らっきょうは鮮度が落ちるのがとても早いので、買ってきたら、泥付きのものはすぐに水洗いして芽と根をカットして皮をむき、できればその日のうちに漬け込みましょう。どうしても保存したい場合は、乾燥しないようにポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。
らっきょうは定番の甘酢漬けの他にも、塩漬け、しょう油漬け、しそ漬け、ワイン漬けなど、さまざまなバリエーションの漬物を楽しむことができます。漬けたらっきょうは、冷蔵庫で保存したほうがシャキシャキした歯ごたえが長持ちします。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

生のらっきょうが店頭に並ぶと、夏が近いことを感じさせてくれます。葉を切り取り1cmほど根を残した「根(泥)付きらっきょう」と、根をすべて切り取り薄皮も取り除き、塩水や酢水で洗った「洗いらっきょう」がありますが、特に「根付きらっきょう」は日持ちしないので、できるだけ早く下処理して漬物にしましょう。らっきょうには身体に良い成分が多く含まれていますが、硫化アリルは強い殺菌作用があり、胃の弱い人は胃が荒れてしまうことがあるので、食べ過ぎには注意してください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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