写真:ぜんまい

ぜんまいと一緒に春がやってくる!

日本全国の里山に自生し、春を告げる山菜のひとつであるぜんまい。九州で採れるようになる3月中旬から、東北・北海道で採れる6月初旬まで、春の訪れとともに旬を迎えます。渦巻き状に巻いた状態で芽を出し、綿毛に覆われた若芽を食用としますが、アクが強く、下ごしらえが必要。店頭では、水煮したものや、乾燥させたものが出回っています。
綿毛は集めてゆで、乾燥させた後に真綿などと混ぜて紡いだ「ぜんまい織」を作ることができます。保温性・防水性がある機能的な織物ですが、現在は作り手が少なくなり、非常に貴重で高価なものになっています。

「男」と「女」の違いとは?

ぜんまいは、胞子によって増えるシダ植物の仲間。ひと株に5~10本の芽を出しますが、「男ぜんまい」「女ぜんまい」の2種があります。男ぜんまいは「胞子葉」で、胞子を飛ばす役割があるために渦巻きの部分がふっくらとしています。採ってしまうと翌年から増えないので、男ぜんまいは残しておくのが山菜採りのマナー。食べてもやや固く、女ぜんまいに比べて味が落ちます。
一方、女ぜんまいは「栄養葉」で、光合成を行う役割があり、茎がやや太めで渦巻きが平べったい形をしています。採るときは、綿毛がしっかり残っていて、渦巻き部分が小ぶりで固く締まり、葉が広がってないものを選ぶようにします。女ぜんまいもすべて採ると栄養が作られなくなり、枯れてしまうので、1~2本は残すようにします。

写真:ぜんまい

ビタミンとミネラルが豊富なヘルシー食材

ぜんまいは食物繊維が豊富で、さまざまなビタミン・ミネラルを含んでいます。ビタミンでは、抗酸化作用があり老化やガンを予防するβカロテン、カルシウムが骨に沈着するのを助けるビタミンK、造血作用があり妊娠中には欠かせない葉酸などが豊富に含まれます。ミネラルでは、赤血球の形成に関わるが豊富です。
乾燥したぜんまいはビタミン類はやや減りますが、代わりにタンパク質カリウムが増えます。特にカリウムは数倍に増え、体内の余分な塩分を排出し、血圧を安定させるはたらきが期待できます。

天日で干すと、使い勝手の良い乾物に!

生のぜんまいにはアクがあるので、アク抜きが必要です。重曹を加えた湯で1分ほどサッと茹でたら、火を止めてひと晩置き、水洗いします。風通しの良い場所で、天日で1日ほど乾燥させると、常温で保存できる乾物になります。乾燥させるときに2~3時間おきに手でよく揉むと、繊維が柔らかくなります。
乾燥させたぜんまいは、たっぷりの水にひと晩浸けてから、ゆでて戻します。市販の乾燥ぜんまいはアク抜きがされていないことも多いので、水からサッとゆでてひと晩置いてから、水を何度かかえてアク抜きします。乾燥ぜんまいは戻すのに時間がかかりますが、水に浸けたまま冷蔵庫に入れれば1週間ほど日持ちしますし、冷凍保存も可能です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

わらびとともに、春の山菜の代表格であるぜんまい。水気の多いところを好み、沢沿いや水路の脇に自生します。日本だけでなく、朝鮮半島や中国など東アジアにも分布し、韓国のナムルの材料としてもおなじみです。ぜんまいは油との相性が良く、油揚げとの炒め煮や、胡麻和えは春のごちそう。βカロテンの吸収も高まります。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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