写真:あしたば青汁の原料としても人気!

ほのかな苦みとシャキッとした歯ごたえが特徴的なあしたば。日本原産のセリ科の植物で「今日葉を摘んでも、明日には芽が出る」ほど生命力が強いことから「あしたば(明日葉)」と名付けられたと言われています。
伊豆諸島や伊豆半島、房総半島など、太平洋沿岸部に自生し、古くから食用とされてきました。主に若い葉と茎を食べ、最もよく新芽を出す2月中旬05月ごろの春が旬です。栄養価が高く、野菜としてだけでなく、青汁の原料としても人気で、生産量のうち約9割が青汁やサプリメント用に加工されています。野菜としてのあしたばは、8割以上が伊豆諸島が属する東京都で生産されています。

あしたばの薬効は、秦の始皇帝にまで届いていた!?

栄養価の高いあしたばの薬効は、中国の秦の始皇帝や漢の武帝が「不老長寿の妙草」として家来を日本に遣わせたという伝説があるほど。日本でも、江戸時代の生物学書「大和本草」に「八丈島で栽培されている滋養強壮に良い薬草」として記載があります。これだけ薬効があるとされながら生産が広まらなかったのは、「明日葉」といわれるほどに生命力は強いものの寒さには弱く、自生している伊豆諸島など太平洋沿岸以外での栽培が成功しなかったことが大きな理由。現在は品種改良が進み、寒さに強く1年中収穫できる新種が開発され、茨城などでも生産が盛んです。

ビタミン・ミネラルが豊富なスーパー食材!

あしたばはさまざまなビタミンやミネラルを含み、その含有量も多く、栄養的に非常にすぐれた食材です。特に免疫力を高めるβカロテン、高血圧予防になるカリウム、便秘予防に欠かせない食物繊維、骨の形成を助けるビタミンKが多く含まれています。また、野菜にはあまり含まれないビタミ写真:あしたばンB1、B2も豊富。糖質や脂質を効率よくエネルギーに変えて燃焼するので、疲労回復やダイエット効果が期待できます。
葉や茎を切った時に出る淡い黄色い汁には、ポリフェノールの一種で抗酸化作用や抗菌作用など、さまざまな効能があるとされる有効成分「カルコン」「クマリン」が含まれます。

葉はみずみずしいもの、茎は細めのものを!

あしたばを選ぶときは、葉がきれいな緑色でハリがあり、みずみずしいものを選ぶようにしましょう。葉がしなびていたり、切り口が変色しているものは、鮮度が落ちています。また、茎が太すぎるものは苦みが強かったり、繊維が筋っぽく感じるので、茎は細めのほうが食べやすいです。乾燥に弱いので、新聞紙などに包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
また、おひたしや和え物にする時は、塩を加えた湯でゆでた後、水にサッとさらしてアク抜きをしましょう。茎と葉では火の通り方が違うので、茎と葉に分けて先に茎から30秒ほどゆで、葉は湯通しする程度で十分です。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

さわやかな香りとほろ苦い味わいが楽しめるあしたば。少しクセがあるので、胡麻和えや天ぷらなど、コクのある味付けや油との相性が良い食材です。産地の伊豆諸島では、ゆでたあしたばにマヨネーズを付けて食べるのが定番。また、春菊の代わりにすきやきにも使われます。さまざまな栄養素を含むあしたばですが、特に女性にオススメ。肌荒れを予防するβカロテン、コラーゲンを生成し肌のハリを保つビタミンC、貧血予防に欠かせない葉酸が豊富です。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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