写真:うど「うどの大木」の由来とは?

独特の香りとシャキシャキした歯ごたえで人気のうど。日本など東アジア原産で、全国に自生している山菜ですが、現在主に市場に出回っているものは光を当てないように軟白栽培されたものです。古くから食用とされ、鎌倉時代以前には栽培が始まっていたと言われますが、現在のような栽培法が確立したのは江戸時代のこと。栽培技術が発達し、現在は1年中流通しますが、本来の旬は3~5月の春。春野菜らしいほのかな苦みがあり、江戸時代には初鰹のように「初物」を好む江戸っ子に大人気の春の食材でした。
うどは成長すると2メートルほどになりますが、育ちすぎたものは食用に向かず、植物なので木材としても活用できないため、身体ばかり大きくて役に立たないことの例えとして「うどの大木」と言われます。

珍しい東京特産の食材

一般的に「うど」と呼ばれるものは、軟白栽培されて全体的に白い「軟白うど」です。光を遮ることで白くて柔らかく、うど独特のクセやアクも少なめになります。「山うど」とは、本来は天然うどを指しますが、ほとんど流通していません。軟白栽培したものを出荷前に光にあてることで、葉先が緑色に変化したものを「山うど」と呼び、香りと風味が軟白うどに比べて強く、苦みやアクもありますが、うど本来の味わいが楽しめます。
また、うどは東京での生産が多い珍しい食材です。江戸時代から生産が盛んで、「東京うど」として江戸東京野菜に認定されています。

写真:うど超低カロリーでダイエットの味方!

うどの成分のほとんどは水分で、超低カロリーの食材です。食物繊維が豊富なので、体脂肪が気になるダイエット中の方でも安心して食べられます。ほとんどが水分なので、栄養価はあまり高くありませんが、クロロゲン酸、フラボノイド、アスパラギン酸、ジテルペンなどの有効成分が含まれています。クロロゲン酸、フラボノイドには抗酸化作用があり、老化やガン予防に効果があります。アスパラギン酸はエネルギー代謝を高めて疲労回復を促し、カルシウムなどミネラルを身体のすみずみまで運ぶはたらきがあります。ジテルペンには自律神経を調整する作用があるので、精神を安定させるリラックス効果があると言われています。

「うどの大木」はNG!大きすぎないものが良品

うどを選ぶときは、あまり大きすぎない30~40cmのもので、穂先にハリがあり、表皮にうぶ毛がビッシリ付いているものが良品。色が黒ずんでいたり、赤い斑点が多くあるものは、鮮度が落ちている可能性があるので注意しましょう。また、軟白うどは色が白くて太いもの、山うどは香りの強いものが良いでしょう。うどは光に当たると硬くなるので、保存するときは新聞紙に包んで冷暗所に保存します。鮮度が落ちても硬くなるので、3~4日のうちに食べ切るようにしましょう。生のままでも加熱してもおいしくいただけますが、アクがあるので、皮をむいて切ったらすぐに酢水につけ、アク抜きしてから調理します。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

うどの本来の旬は3~5月で、春らしい苦みを感じることができる山菜です。うどは捨てるところがない食材で、葉や穂先は天ぷらに、茎は和え物や炒め物に、むいた皮もキンピラにするとおいしくいただけます。シャキッとした食感が身上なので、加熱するときは強火で一気に手早く調理しましょう。うどはアクがあるので、酢水につけてアク抜きしますが、ゆでる時もお湯に少し酢を入れると、白くきれいに仕上がります。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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