写真:チーズチーズケーキとイタリアンブームが日本のチーズを変えた!?

チーズが初めて記録に登場するのは、なんと紀元前8世紀。古代ギリシャ時代に、すでにワインとチーズを一緒に楽しんでいる様子が記載されています。ローマ帝国時代には、兵士たちがヨーロッパ中にチーズを広め、各地の特色に合わせた個性あふれるさまざまなチーズが作られました。19世紀半ばには、工業的にチーズが大量生産されるようになりました。
日本では、飛鳥時代に「蘇(そ)」と呼ばれる牛乳を煮詰めたものが作られていましたが、武家社会になると作られなくなり、本格的に普及したのは戦後のこと。当初はプロセスチーズがほとんどでしたが、1980年代以降にチーズケーキやイタリア料理が一般的になったことから、ナチュラルチーズが受け入れられるようになりました。現在では、多種多様なナチュラルチーズが店頭に並んでいます。

プロセスチーズはナチュラルチーズから作られる?

ナチュラルチーズは牛乳から作られ、菌による発酵が進んでいるチーズですが、プロセスチーズはナチュラルチーズを溶かして、再び固めたもの。プロセスチーズは加工しやすいので、さまざまな形や味の商品が販売されています。写真:チーズナチュラルチーズは時間とともに味が変化しますが、プロセスチーズは発酵が止まっているので、賞味期限内ならば同じ味です。
ナチュラルチーズは加工法や原料により、1000種以上もあると言われています。大きく分類すると、熟成させないフレッシュチーズ、洗いながら熟成させるウォッシュチーズ、カビを植え付けて熟成させた白カビチーズブルーチーズ、水分を抜いてじっくり熟成させたハードチーズ、山羊の乳から作ったシェーブルチーズなどがあります。

ワインとチーズは栄養的にも相性抜群!

100gのチーズを作るのに、1000mlの牛乳が必要なので、チーズは牛乳の栄養がギュッと詰まった食材です。チーズの種類により含有量は異なりますが、多く含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なもの。アミノ酸には肝臓の機能を改善するはたらきがあるので、ワインなどアルコールのおつまみにチーズを食べるのは理にかなっています。
また、カルシウムは牛乳に比べて少量で必要な量を摂ることができ、特に水分を抜いたパルミジャーノなどのハードチーズに豊富に含まれています。皮膚や粘膜を健康に保つビタミンA、疲労回復を促すビタミンB2も豊富です。

個性に合わせて使い分けよう!

さまざまな個性を持つチーズは、用途もさまざま。カッテージやモッツァレラなどのフレッシュチーズは、お菓子や料理の素材に向いています。エメンタールなどのセミハードタイプは、スライスしてサンドイッチに挟んだり、ピザやグラタンなど加熱しても美味。カマンベールなどの白カビチーズやブルーチーズ、ウォッシュチーズは脂肪分とたんぱく質が多く、チーズらしい風味とコクがあるので、パンに乗せたり、ワインのおつまみに。パルミジャーノやミモレットなどのハードチーズは、そのままおつまみにしたり、削って料理の風味付けに使います。チーズは水分と乾燥に弱いので、保存するときは水分をふき取り、アルミホイルに包んでからラップにピッタリと包み、冷蔵庫で保存しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

フレッシュチーズ以外のナチュラルチーズは、食べる前に室温に20~30分ほど置くと、チーズの風味がより感じられておいしくいただけます。また、ブルーチーズ以外のナチュラルチーズは外側から中心へ熟成が進むので、外側と内側で風味が異なります。両方楽しめるように、カマンベールなど円形のチーズは、放射状に三角形になるように切り分けると良いでしょう。また、ナチュラルチーズは温度管理が非常に難しいので、信頼できる店で、食べる分だけ少しずつ買うことをオススメします。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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