繁殖力が強く、世界各地で自生

写真:クレソンさわやかな香りと、ほのかな苦みと辛みが特徴的なクレソン。ヨーロッパ原産の水生植物で、繁殖力が強く世界各地に自生し、日本でも小川などで自生しているのをよく見かけます。日本には明治の初めごろに伝わりましたが、当初は独特の風味が敬遠され、洋食文化の拡大にともなって付け合わせなどに使われるようになりました。「クレソン」はフランス語で、ピリッとした辛みから「オランダガラシ」「オランダミズガラシ」の和名が付いています。
現在は栽培ものがほとんどで、年間を通して安定して出荷されていますが、露地ものの旬は3~5月初めごろ。5~6月に花をつけますが、それ以降は茎が太くなり、食感が悪くなります。

山梨県道志村は、一大生産地!

クレソンの国内生産量No.1は、50%以上の生産量を占める山梨県。中でも、富士山のきれいな湧水が利用できる道志村は、日本全体の約30%を生産する一大産地です。道志村では、クレソンを粉末にしてパスタやうどん、せんべい、ケーキなどの特産品づくりが進められ、お土産として人気があります。
そして意外にも沖縄が、山梨、静岡に次いで生産量3位。特に南城市での生産が盛んで、沖縄で唯一環境省認定の名水100選に選ばれている垣花樋川の清水と温暖写真:クレソンな気候を利用して、本州での生産量が落ちる11~3月に多く出荷されます。

肉料理の付け合わせに、味も栄養もピッタリ!

クレソンは大根や菜の花と同じく、アブラナ科の植物です。ピリッとした辛みは、アブラナ科に多く含まれる「シニグリン」で、食欲増進や抗菌のはたらきがあると言われています。また、消化を助けたり、血液が酸化するのを防止するので、肉料理の付け合わせとするのは、栄養的にも理にかなっています。
また、クレソンは緑黄色野菜なので、βカロテンが豊富に含まれます。βカロテンは体内でビタミンAとなり、皮膚と粘膜を強くしたり、免疫力を高めるので、風邪などの予防につながります。血圧の上昇を抑えるカリウム、造血作用があり貧血を予防する葉酸も豊富です。

乾燥に気をつけて保存を!

クレソンを選ぶときは、葉が濃い緑色で多くついていて、葉と葉の間が詰まっているもの、香りが強いものが良品です。また、あまり茎が太くないほうが良いでしょう。葉がしおれていたり、切り口が黒ずんでいるものは鮮度が落ちている可能性があるので注意しましょう。
クレソンは水生植物なので、乾燥に弱いのが特徴です。保存するときは、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙にくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫に立てて保存します。水を入れたコップにさして保存することもできますが、葉が水に浸かると腐るので気をつけましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

肉料理の付け合わせやサラダに使われることが多いクレソンですが、加熱してもおいしくいただけます。牛肉などと合わせて中華風の炒めものにしたり、和風のおひたしや味噌汁にも合います。加熱料理には量が必要になりますが、クレソンは丈夫で育てやすいので、簡単に栽培することができます。種からはもちろん、市販のクレソンから挿し木で育てることも可能です。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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