写真:ヨーグルト消費量No.1はトルコ

身体に良いおいしいデザートとして親しまれているヨーグルト。牛や山羊が家畜化して、ミルクを食料として利用するようになった頃、自然界の乳酸菌がミルクを発酵させて固まったものが起源と言われています。生乳よりも保存性に優れていることもあり、さまざまな乳や菌を使って、各地特有のヨーグルトが作られてきました。日本をはじめとした東アジアや欧米ではデザートとして食べることが多いですが、南アジアや中東では野菜と和えたりソースにしたり、料理の素材として頻繁に使われています。
ヨーグルトと言えばブルガリアのイメージが強いですが、世界の消費量No.1は中東のトルコで、日本の5倍以上を食べています。国内では関東や東北の消費量が多く、九州は少なめ。トップの宮城県と最下位の熊本県では2倍以上の差があります。

日本でのプレーンヨーグルトの歴史は、まだ浅い!

日本には仏教伝来とともに飛鳥時代に伝わったヨーグルトですが、ごく一部の貴族や寺院で薬として使われていただけで、一般には広まりませんでした。戦後になると、寒天やゼラチンなどで固められ、砂糖や果物を混ぜて食べやすくしたハードヨーグルトが普及。ハードヨーグルトは現在も多くの商品が販売されていますが、日本独特のもので、海外ではあまり見かけません。生乳やクリームなど乳製品のみを発酵させたプレーンヨーグルトが一般的になったのは、昭和50年代以降。液状にしたドリンクヨーグルト、凍結させたフローズンヨーグルトも人気で、さまざまな商品が店頭に並んでいます。

牛乳がダメな人も、ヨーグルトなら大丈夫な理由は?

牛乳から作られるヨーグルトには、牛乳と同様に良質なたんぱく質カルシウムが豊富に含まれています。また、牛乳に加えて発酵させることでヨーグルトをつくる乳酸菌には、多くの効能があります。よく知られているのは、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を良くして便秘や肌荒れを予防したり、免疫力をアップさせる作用。加齢とともに腸内の善玉菌は減っていくので、ヨーグルトで補給することは有効です。また、ヨーグルト特有のさわやかな風味も、乳酸菌の力でつくられます。
牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる人もヨーグルトならば大丈夫、写真:ヨーグルトという話をよく聞きますが、これも乳酸菌のはたらき。吸収されにくい牛乳の乳糖やたんぱく質を分解して吸収されやすい形に変えるので、お腹にやさしいのです。

自分にあった効能のヨーグルトを選ぼう!

ヨーグルトは各メーカーからさまざまな商品が販売されていますが、乳酸菌の種類により風味が異なり、効能も違います。生きたまま大腸に到着する菌、免疫力をより高めて風邪予防に効果的な菌、花粉症などアレルギーを抑える菌など、特徴があるのでパッケージなどの説明をよく読んで選ぶようにしましょう。
乳酸菌は生きているので、保存温度が高いと発酵が進んで酸味が増してしまいます。10度以下の低温ならば、発酵の進みが遅く新鮮な風味を保つことができます。凍結すると風味や食感が変わるので、冷蔵庫のチルド室や冷気吹き出し付近では保存しないようにしてください。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

食感がなめらかで食べやすく、栄養価も高いヨーグルトは、食欲のないときにも強い味方になる食材。乳酸菌のはたらきで、牛乳よりもたんぱく質やカルシウムの吸収が高まるのもうれしいポイントです。ヨーグルトの上澄みに水が分離していることがありますが、これは「ホエー」と呼ばれ、ヨーグルトの栄養分がたっぷり含まれています。食べるときはかき混ぜて、一緒に食べるようにしてください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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