宮城県名取市が名産地

写真:セリ独特の香りと、シャキッとした食感が魅力のセリ。日本全国の水田や水辺に自生し、古くから万葉集に詠まれるなど、なじみ深い野草です。真夏を除いて簡単に収穫できることから、栽培も古くから行われてきました。現在は露地物に加えてハウス栽培も盛んで、年中出まわるようになりましたが、旬は2~3月の冬。厳しい寒さや霜にあたったセリは、歯ごたえがよく香りも高くなります。全国で収穫されますが、生産量が多いのは宮城県と茨城県で、特に宮城県名取市のセリは「仙台セリ」としてブランド化しています。

葉から根まで捨てるところがないエコ野菜

春の七草やお雑煮の具材として、柔らかい茎と葉を食べるイメージが強いセリですが、実はきれいに洗えば根も食べられます。セリ独特の香りとほのかな苦味があり、油との相性が良く、天ぷらやキンピラにすると美味。また、生産の多い東北地方では鍋に欠かせない野菜で、根ごと使う宮城県の「セリ鍋」は、冬の大人気メニューです。秋田の郷土料理きりたんぽ鍋にも、セリは定番。葉から根まで捨てるところがないエコな野菜です。

万病を防ぐ春の七草の一番手!

1月7日に若草を摘んで食べると万病を防ぐと言われる春の七草は、「セリ、なずな...」と、セリが一番最初に来ます。こうした慣用句でもその名が親しまれ、古くから身体に良い食材として重用されてきました。セリ特有の香りには、健胃効果や食欲増進、発汗作用があるとされ、お正月の疲れた胃腸や身体をやさしくいたわってくれます
また、セリは緑黄色野菜なので、老化の原因となる酸化を防ぐ抗酸化作用があり、免疫力を高めるβカロテンビタ写真:セリミンCが豊富に含まれています。香り成分のオイゲノールは鎮静効果があるとされ、ピラジンは血流を良くして血栓予防が期待できます。

独特の香りを楽しむために、早めに食べるべし!

セリは、葉の色が濃く、葉先までみずみずしく、香りが強いものが良品です。鮮度が落ちてくると、黄色っぽくなったり、香りが弱くなります。また、茎が太すぎるものは、ゆでても固いので、気をつけましょう。買ってきたら、濡れた新聞紙やキッチンペーパーにくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。2~3日は保存できますが、香りが弱くなるので早めに食べ切るようにしましょう。スーパーなどの店頭に流通しているものは、ほとんどがアクが弱い栽培物ですが、自生している天然物が手に入った場合は、アクがやや強いので、鍋やお雑煮に入れる前に下ゆでし、おひたしや和え物にするときは軽くゆでた後に水にしばらくさらしてアク抜きしたほうが良いでしょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

汁物や鍋物など、冬の葉野菜として使われるセリ。βカロテン、ビタミンCの他にも、カルシウムや鉄などのミネラルも豊富です。全国に自生し、セリ摘みは早春の楽しみのひとつですが、よく似た野草にドクゼリ(オオゼリ)があり、間違えて食べると、食中毒を起こします。ドクゼリはセリ独特の香りがないのがポイントですが、慣れない人は自分で判断せずに、詳しい人に聞くなどして気をつけるようにしましょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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