現在の製法は水戸藩が発明!

煮物やおでんなど、しょう油味の写真:こんにゃく和食に良く合うこんにゃく。里芋の仲間のこんにゃく芋から作られ、古くはこんにゃく芋をすりつぶし、灰を水で溶いた灰汁を使って固まらせて作っていましたが、現在は芋を乾燥させて粉状にした「こんにゃく精粉」を水に溶かし、水酸化カルシウムなどの凝固剤を加えて固めています。
生芋を精粉化する製法は、江戸時代に水戸藩で考案され、原料の貯蔵と長距離輸送ができるようになりました。こんにゃく精粉は水戸藩の専売品でしたが、明治時代に解禁され、現在は栽培に向いた冷涼な気候の群馬県で栽培が盛んで、全国の約80%を生産しています。

白こんにゃくと黒こんにゃくの違いは?

こんにゃくを生芋から作ると、皮や芋のアクで黒っぽくなります。現在の製法であるこんにゃく精粉から作ると白こんにゃくになりますが、こんにゃくらしく見せるために、ひじきなど改装の粉末を混ぜ込んで黒こんにゃくが作られます。白滝はこんにゃくと原料や製法は同じですが、水酸化カルシウムを加えた後、細い穴に通しながら熱湯の中に流して糸状に固められたもの。糸こんにゃくも現在は白滝と同じ手順で作られ、関東では白滝、関西では糸こんにゃくと主に呼んでいます。板こんにゃくをところてんのように押し出したものは「突きこんにゃく」と呼ばれ、味が早くなじみやすいので、炒め物に向いています。

食物繊維豊富な超低カロリー食材

低カロリー食材として知られているこんにゃくは95%以上が水分で、100gあたり約5kcal。ダイエットにもいい食材といわれますが、食物繊維が豊富で食べごたえがあるので、体脂肪が気になる人にはうれしい食材です。こんにゃくの食物繊維は水溶性の「グルコマンナン」で、江戸時代から「おなかのお掃除役」と言われてきました。現在の製法で凝固剤の水酸化カルシウムを加えるとグルコマンナンは不溶性食物繊維に変化しますが、不溶性食物繊維は消化されないまま腸にとどまり便のカサを増すので、便秘予防につながります。また、カルシウムやカリウムなどのミネラルも含まれ、こんにゃくのカルシウムはアルカリ性なので体内に吸収されやすい性質を持っています。

冷蔵庫保存は、凍結に注意!

写真:こんにゃくこんにゃくは長期保存できる便利な食材です。冷暗所や冷蔵庫で保存しますが、こんにゃくは水分が多いために凍りやすいので注意しましょう。凍ると水分が抜け、解凍しても戻らないので固くゴワゴワした食感になり、白滝は細く縮んで固くなってしまいます。こんにゃくや白滝が売られている袋に入っている水は殺菌作用があるアルカリ水なので、開封して使い切れない時は、封入水をタッパーなどに取っておいて、その中で保存すると1週間はもちます。捨ててしまった時は、水につけて、できるだけ早く食べ切るようにしてください。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

長期保存できるので、冷蔵庫の常備品としても便利なこんにゃく。保存する時は凍らないように注意が必要ですが、あえて凍らせて「凍みこんにゃく」として使うこともあります。普通のこんにゃくとは食感が違い、味がしみ込みやすく、炒め物に向きます。こんにゃくはアクがあるので、ゆでたり、塩もみするなどの下ごしらえが必要ですが、最近は下ごしらえ不要のものも増えています。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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