写真:エリンギ1990年代に愛知県で栽培スタート!

コリコリした食感が人気のエリンギ。食感が貝のアワビに似ていることから「白アワビタケ」とも呼ばれます。ヨーロッパから中央アジアが原産と言われ、フランスやイタリアでは古くから定番の食材でした。日本での歴史は浅く、1990年代に愛知県で人工栽培が始まり、クセのない味わいで食感が良いことからあっという間に定番きのこのひとつになりました。
日本では白い軸の部分の食感が好まれ、暗室栽培により軸を長くしたエリンギが出回っていますが、自生しているエリンギはカサが大きく、軸はそれほど太く長くありません。そのため、イタリアやフランスでは主にカサの部分を食べています。日本では自生していないので、流通しているエリンギの100%は栽培されたもの。大規模な生産工場のある長野県と新潟県で、全国の7割を生産しています。

便秘・冷え性・むくみ予防に!

エリンギは、きのこ類の中では食物繊維ナイアシンカリウムが豊富なほうです。食物繊維は不溶性で、腸にまで届いて便のかさを増やすので、便秘予防に効果があります。写真:エリンギまた、腸内の有害物質を外に追い出すはたらきが水溶性食物繊維よりも強いので、大腸がんの予防も期待できます。ナイアシンはビタミンB群のひとつで、糖質や脂質などをエネルギーに変換するために必要な栄養素です。また、血の巡りを良くするので冷え性改善にも効果的です。体内の余分な塩分を体外に排出するカリウムは、高血圧予防やむくみ防止につながります。

軸は白く、カサは薄い茶色が良品

エリンギを選ぶときは、軸の部分の弾力があり、固く締まって白いものを選ぶようにしましょう。カサは薄い茶色で、縁が内側に巻き込んでいるものが良品です。パックされた内側に水滴が付いているものは、鮮度が落ちている可能性があるので避けます。水分に弱いので、買ってきたらポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。他のきのこ類に比べると日持ちする方ですが、鮮度が落ちると独特の食感がなくなるので、3日程度で食べ切るようにしましょう。食べきれない時は冷凍保存もできます。食べやすい大きさに切ったり手で裂いたりして、密封できる袋などに入れて冷凍します。炒めものやスープなど、そのまま加熱調理できます。

切り方によって変わる食感を楽しもう!

エリンギ自体は淡白な味わいなので、肉類や海鮮類などうまみのある素材と相性が良いです。また、切り方によって食感が変わります。繊維にそって手で縦に裂くと味が染み込みやすいので、トマト煮やオイスターソースの炒め煮などに向きます。乱切りや繊維を断つような横切りにすると、アワビや帆立の貝柱のような食感になります。炒めものやカレーに入れても食感を楽しめます。素焼きやソテー、天ぷらにする場合は、包丁で縦に切るのがオススメ。食べごたえがある食感で、ダイエット中のメニューにも向いています。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

エリンギはきのこ類なので、きのこ特有の栄養素も豊富に含まれます。「エルゴステロール」は日光にあたるとビタミンDに変わる性質を持っています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、骨粗しょう症予防が期待できます。半日程度、時々上下を返しながら干すと、栄養価がアップするとともに、独特の歯ごたえがさらに増すので、炒めものやパスタにピッタリです。免疫力をアップし、風邪を予防するβグルカンも豊富に含まれています。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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