写真:胡麻<ごま>日本人の食卓に欠かせない重要食材!

料理の香り付けや和え衣として、日本の食卓には欠かせない胡麻。現在のスーダンやナイジェリア付近のアフリカのサバンナ地帯が原産で、ナイル川流域では5000年以上前から栽培され、古代エジプトでは身体や美容に良いとしてクレオパトラも好んでいたと言われています。日本には縄文時代に中国から伝わり、奈良時代には広く栽培され、そのまま食べるのはもちろん、圧搾して胡麻油も作られていました。しかし、胡麻の栽培は非常に手間がかかることから、国内の胡麻生産は徐々に衰退し、現在は99.9%を輸入に頼っています。胡麻の栽培には日照時間と温暖な気候が必要なので、世界では東南アジア、中近東、北アフリカで主に生産され、日本では鹿児島県の喜界島で栽培が盛んです。

店頭で見かける胡麻の種類の違いは?

胡麻は種皮の色の違いにより「白胡麻」「黒胡麻」「金胡麻」に分けられます。白胡麻は穏やかな風味で万能選手。ドレッシング、つけだれ、和え衣など、合わせる食材の味を引き立てる脇役として活躍します。黒胡麻は香りが強くコクがあるので、春菊など香りの強い野菜と好相性。プリンや団子など、スイーツにもよく使われます。金胡麻は香りが良く濃厚な味わいなので、胡麻の風味を引き立たせたい時や、ご飯のふりかけにピッタリ。また、胡麻は加工方法により、収穫した胡麻を洗っただけの「洗い胡麻」、洗い胡麻を煎った「煎り胡麻」写真:胡麻<ごま>煎り胡麻をすった「すり胡麻」、とろりとなるまでペースト状にすりつぶした「ねり胡麻」などがありますが、ここまで胡麻を多種多様な形で食べるのは、日本・中国・韓国など東アジアだけです。

注目度急上昇!胡麻特有の成分「ゴマリグナン」

胡麻は古くから栄養価の高い食材として知られ、薬用にも利用されてきました。特に注目されているのが、胡麻特有の成分「ゴマリグナン」。セサミン、セサモールなど、胡麻に含まれているポリフェノールの一種リグナン類の総称で、強い抗酸化作用があるとされ、がんや生活習慣病の予防や、肝機能を高めアルコールから肝臓を守るはたらきが期待できます。また、胡麻の50%は脂質ですが、これはリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で、血中コレステロールを下げ、動脈硬化などを防ぐ作用があります。不飽和脂肪酸は酸化しやすいのが欠点ですが、胡麻にはゴマリグナンや、同じく抗酸化作用の強いビタミンEが豊富なので、他の不飽和脂肪酸よりも酸化しにくいです。

胡麻をするのは食べる分だけ使う直前に!

洗い胡麻や煎り胡麻を選ぶ時は、色と形が整い、ふっくらとした丸みのあるものを選ぶようにしましょう。酸化しにくい胡麻ですが、やはり新鮮であるほど香りが良いので、買ってきて開封したら、密封できる瓶などに詰め替えて湿気の少ない涼しい場所で保存します。すり胡麻にすると、表面積が大きくなることで香りが立ちますが、酸化も早くなります。食べる分だけ使う直前にするようにしましょう。市販のすり胡麻を使う時は、小分けのものを選んで、できるだけ早く使いきりましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

身体に良い成分がたっぷり含まれている胡麻。健康効果を期待する場合は、毎日大さじ1杯程度を摂取すると良いと言われています。胡麻の20%は、必須アミノ酸がバランス良く含まれる良質のたんぱく質。胡麻はさまざまな食材と組み合わせて食べますが、オススメは豆腐、納豆など、胡麻と同じく必須アミノ酸が豊富な大豆製品。胡麻とは互いに不足している必須アミノ酸を補い合い、胡麻に含まれるリノール酸やオレイン酸と同様にコレステロール低下作用のあるレシチンやサボニンを大豆は含むので、相乗効果が期待できます。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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