ロシアからやってきた大人気食材

寿司ネタなどで子どもから大人まで大人気のいくら。鮭の魚卵である筋子をほぐしたものですが、生で食べる現在のような食べ方は、ロシアから大正時代ごろに伝わりました。「イクラ」の呼び名も、魚卵を意味するロシア語から由来したものです。産卵のために沿岸に戻ってくる写真:いくら子持ちの鮭は、8月後半ごろに漁が解禁となりますが、解禁当初は卵が小さく皮も柔らかくて弱いので、主に筋子のまましょう油漬けなどに加工されて流通します。10月ごろになると、卵が成熟して大きくなり、いくらに適した状態に。加工品はもちろん、「生筋子」として店頭に並びます。

「マス子」はカラフトマスの卵!

日本で流通しているいくらの多くは、白鮭の卵です。他にも、紅鮭の卵である「ベニ子」、銀鮭の「ギン子」、カラフトマスの「マス子」と呼ばれるものも流通しています。中でも「マス子」は流通量が多く、白鮭よりも早く7月ごろから出回ります。鮭の卵と比べると赤みの強い色で、粒が小さめで柔らかく、値段も手ごろです。また、一時期サラダ油や海草エキスから作られるコピー食品の「人工いくら」が出回りましたが、現在は普通のいくらの値段が安くなり、人工いくらを製造・販売するメリットがないため、ほとんど流通していません。

強い抗酸化作用で美容に効果アリ!?

いくらの脂質は、DHAやEPAの不飽和脂肪酸です。DHAは脳の発達を助けると言われ、EPAには動脈硬化などさまざまな生活習慣病を予防するはたらきがあります。いくらにはアミノ酸の一種「シスチン」も含まれ、髪や皮膚を丈夫写真:いくらにしたり、活性酸素から身体を守るはたらきがあります。また、いくらの赤い色は、鮭が好物のカニやエビなどの甲殻類に含まれる「アスタキサンチン」という成分で、強い抗酸化作用があるとされ、美容サプリメントにも使われるほど注目の成分です。同じく抗酸化作用があることで知られるビタミンEも豊富なので、シミ予防などのアンチエイジング効果も期待できます

生筋子は、乳白がかった薄い色のものが新鮮!

いくらを選ぶときは、表面にツヤとハリがあり、卵の粒がハッキリとして揃っているものが良品です。生筋子は、全体に乳白がかって薄いオレンジ色をしたものが新鮮。古くなると、卵の色も卵膜に残る血筋も赤黒く変色し、ハリが失われていくので注意しましょう。生筋子は買ってきたら、できるだけ早くしょう油漬けなどに加工すれば、冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。食べきれないときは、密閉できる瓶などに小分けして冷凍すれば、1カ月ほど保存できます。解凍したいくらは、2日程度で食べきるようにしましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

プチプチした食感のいくらは、高級寿司ネタとして、また豪快な丼の具材としても人気。しょう油漬けにされたものが一般的ですが、塩分が多くコレステロールが高いと言われています。いくらには、DHA・EPAなどコレステロール値を抑える成分も含まれているので、毎日大量に食べなければそれほど神経質になる必要はありません。気になる方は、体内の余計な塩分を排出するはたらきがあるカリウムが豊富なキュウリやひじき、コレステロールの吸収を抑制する不溶性食物繊維が豊富な海藻類などを一緒に食べると良いでしょう。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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