「かぼす」「すだち」見分けるポイントは?

爽やかな酸味と香りを持つかぼすとすだちは、みかんのような生食ではなく、果汁や皮の酸味と香りを利用する香酸柑橘類のひとつ。似たイメージがありますが、かぼすが100~150gでテニスボールほどの大きさ写真:かぼす・すだちのに対し、すだちは40g程度でゴルフボールくらいの大きさなので、はっきりと区別できます。かぼすは大分県、すだちは徳島県の特産品で、どちらも全国の95%以上を生産しています。どちらも江戸時代から栽培されていましたが、1970年代以降にそれぞれの県が特産品として栽培を奨励し、全国に出荷されるようになり知名度が高まりました。1年中出回っていますが、旬も同時期で8~10月ごろ。冬の11~2月は貯蔵したもの、3~7月はハウス栽培のものが出荷されています。

果汁はもちろん、皮も薬味に!

かぼすは香酸柑橘類の中では酸味がやわらかで、食材の味を強い酸味で消すことなく、引き立てることができるとして重宝されています。焼き魚や焼き鳥、うどんにギュッと絞ったり、ポン酢や酢の物にしてもまろやかな味わいになります。産地の大分県では、味噌汁に入れるのも定番です。すだちはすがすがしい香りが特徴で、松茸との相性が良いことで知られ、松茸の土瓶蒸しにはすだちが添えられています。また、さんまなど少しクセのある青魚にもピッタリです。かぼす・すだちとも、果汁を絞るだけでなく、刻んだりすりおろした皮をうどんやそば、冷や奴の薬味にすると、爽やかな香りが楽しめる贅沢な一品になります。

夏の疲労回復にピッタリ!

かぼす・すだちには、クエン酸が豊富に含まれています。クエン酸は糖質を分解してエネルギーに変換する過程で欠かせない成分で、不足すると疲れを感じやすくなります。また、疲労物質のひとつである乳酸を分解する作用もあるので、夏バテ防止や疲労回復のために積極的に摂取したい栄養素です。胃液の分泌を正常にするはたらきもあり、写真:かぼす・すだち弱った胃腸を回復させ、食欲アップにもつながります。かぼす・すだちの香り成分であるリモネンピネンには、精神をリラックスさせたり、気分をスッキリさせるはたらきがあります。

香りが良く、持って重いものが良品

かぼす・すだちを選ぶときは、果皮にツヤとハリがあり、香りが良く、持ってみて重さを感じるものがよいでしょう。軽いものは水分が減っている可能性があります。乾燥しないようにポリ袋に入れて冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存すれば、2~3週間はもちます。保存している間に皮が黄色くなってしまっても、風味はやや落ちますが、問題なく使うことができます。使うときは、かぼすは縦にくし形に4等分、すだちは輪切りにすると果汁が絞りやすくなります。多く手に入った時は、果汁を絞って製氷皿などに入れて冷凍すると良いでしょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

さんまが美味しくなる頃に旬を迎えるかぼす・すだち。焼き立てのさんまの塩焼きにギュッと絞ると、臭みや脂っぽさをほどよく抑え、本来の味わいを引き立たせる名脇役です。かぼす・すだちは、魚だけでなく焼いた肉や野菜とも好相性ですが、刺身のしょう油に果汁を絞るのもおススメ。臭みを抑え、素材の味を引き立たせるとともに、かぼす・すだちのうま味があるので、しょう油はほんのわずかの量でOK。減塩にもなるので、高血圧などの生活習慣病予防につながります。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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