「ししとう」の名前の由来は?

独特のさわやかな風味と甘みを持つししとう。唐辛子の甘味種「甘唐辛子」の一種で、デコボコした形が獅子の顔をイメージさせることから名付けられたと言われています。唐辛子は中南米が原産地で、15世紀にコロンブスの新大陸発見とともにヨーロッパに伝わり、ヨーロッパで辛みの少ない品種が生まれたと考えられています。写真:ししとう日本では、ししとうは明治時代に欧米から取り入れられ、戦後に本格的に栽培が広がりました。ハウス栽培が盛んで1年中店頭に並びますが、旬は露地物が出回る6~8月の夏。全国の生産量の約4割が高知県で生産されています。

仲間はブランド京野菜として人気!

唐辛子の甘味種であるししとうの仲間でよく知られているのが、「伏見甘長とうがらし」「万願寺とうがらし」です。伏見甘長とうがらしは「伏見とうがらし」「甘長とうがらし」とも呼ばれ、京都府の伏見地区で江戸時代から栽培されている京野菜のひとつ。柔らかくて独特の甘みがあり、京都府認証の「ブランド京野菜」に指定されています。万願寺とうがらしは、伏見甘長とうがらしとピーマンの一種であるカルフォルニア・ワンダー種を掛け合わせて生まれたとされ、ほんのり甘みがあり種が少ないのが特徴。伏見甘長とうがらしと同じく京野菜として人気で、舞鶴市、綾部市、福知山市で栽培された万願寺とうがらしも「ブランド京野菜」に指定されています。どちらも辛みがほとんどないので、そのまま味噌に付けたり、サラダにしてもおいしく食べられます。

写真:ししとう夏バテ予防、紫外線対策に!

ししとうは、ビタミンがたっぷり含まれる食材です。特にβカロテンが豊富に含まれ、抗酸化作用でアンチエイジングやガン予防が期待でき、髪や肌を健康に保つ作用もあります。ビタミンCも豊富で、免疫力を高め疲労回復に効果があるので、夏バテ予防にピッタリです。また、ビタミンCは、シミ・そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑制する効能があり、夏の紫外線対策にもなります。他にも、たんぱく質の代謝に関わりエネルギー源とするビタミンB6、脂肪燃焼や血行促進作用のあるカプサイシンも含まれています。

穴を開けてから加熱!

ししとうを選ぶときは、鮮やかな緑色で張りがあり、軽く触ってみて弾力を感じるものが良いでしょう。鮮度が落ちると触って固く感じたり、軸の切り口が茶色く変色するので注意します。また、小ぶりなものが良く、大き過ぎるものは育ち過ぎで風味が落ちるので避けましょう。乾燥に弱いのでポリ袋などに入れて密閉して野菜室で保存しますが、長時間入れると低温障害を起こすので、早めに食べ切るようにします。ししとうは種ごと食べられますが、そのまま加熱すると破裂することがあるので、竹串などで数カ所穴を開けてから調理しましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

ししとうは、暑くなると旬を迎える夏野菜です。油との相性が良く、βカロテンの吸収率も高まります。天ぷらや素揚げ、炒め物にするときは、短時間で加熱するとビタミンの流出が少なくなり、独特の歯ごたえを残すことができます。ごく稀に、辛いししとうに当たることがありますが、栽培環境や受粉の状況によるようです。小ぶりで種の少ないものに辛い"当たり"があると言われますが、近年は品種改良が進み、辛いものはほとんど出回らなくなりました。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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