写真:今回の食材柑橘類なのに、なぜ"グレープ"?

ジューシーでさわやかな酸味、やわらかい甘みで人気のグレープフルーツ。柑橘類の果物ですが、ぶどうのように1本の枝に多くの実をつけることから"グレープ"フルーツと呼ばれるようになりました。西インド諸島が原産と言われ、19世紀前半にアメリカに伝わり、栽培が広がりました。日本には大正時代の初期に伝わりましたが、日本の気候に合わないために栽培は定着せず、昭和初期に輸入がスタート。当初は高級フルーツでしたが、1970年代に輸入が自由化されると、一気に価格が手頃になり、身近な存在に。現在もほとんどが輸入もので、50%以上をアメリカのフロリダ産が占めます。フロリダでは11〜6月に収穫されますが、特に4〜6月ごろが旬の時期とされています。

栄養がたっぷり含まれる健康飲料

果皮が黄色で果肉が白っぽい薄い黄色の「マーシュ」は「ホワイト」とも呼ばれ、日本の店頭ではもっとも一般的な品種です。果汁がたっぷりで、ほのかな苦みが特徴的です。最近人気なのが、果皮も果肉も赤みがかった「ルビー」で、「ピンクグレープフルーツ」とも呼ばれています。マーシュに比べて酸味が控えめで、やや甘みが強い品種です。グレープフルーツと文旦を掛け合わせた品種が「オロブランコ」で、イスラエル産のものは「スウィーティー」写真:今回の食材という商品名で出回っています。果皮が緑色で酸味が少なく、さわやかな香りが人気です。

ダイエット中のビタミン補給に最適!

グレープフルーツは、果物の中では糖質が少なくビタミンが多いので、ダイエットが気になる女性にはうれしい食材です。豊富に含まれるビタミンCには、肌にうるおいを与え、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑えるはたらきがあります。果肉が赤い品種ルビーに多くふくまれるリコピンには強い抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を強くし、紫外線から肌を守るはたらきが期待できます。グレープフルーツの香り成分リモネンは、アロマオイルにも利用されているほどさまざまな効能がある成分で、代謝を高めて脂肪の燃焼を促進したり、ストレスの解消や集中力を高める作用があると言われています。

ずっしりと重く、ハリとツヤがあり、丸いものが良品!

グレープフルーツを選ぶ時は、ずっしりと重みがあってハリとツヤのあるものを選ぶようにしましょう。果皮にへこみがあったり、平らになっている部分があるものを見かけることがありますが、これは他の実とくっついて育ったことが原因。丸い方が、太陽が十分にあたって栄養がいきわたっています。保存する時は、他の食材に香りがうつらないようにポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室に保存します。果皮が他の柑橘類に比べて厚いので、比較的保存が利き、寒い季節ならば冷暗所でも1〜2週間はもちます。切ったり皮をむいたものを保存する場合は、乾燥させないようにラップでしっかりと包んで、できるだけ早く食べ切りましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

爽快な酸味とほのかな苦みが魅力のグレープフルーツ。疲労物質の乳酸の代謝を促すクエン酸が豊富に含まれ、疲労回復を早めて身体をシャキッとさせるはたらきがあるので、暑い季節にはピッタリの果物です。ほのかな苦みの成分は「ナリンギン」と呼ばれるポリフェノールの一種。脂肪分解作用や抗酸化作用があると言われますが、降圧剤や睡眠を促す薬などの飲み合わせで主作用・副作用が強く出る恐れもあります。処方された薬を服用する時は、医師や薬剤師の指示を守り、不安な時には相談をしてください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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