国産ひじきはわずか2割

写真:今回の食材煮物にして常備菜にしたり、炊き込みご飯にしたり、海藻の中でもひじきは食卓に登場することが多い食材です。縄文時代の貝塚から発見され、伊勢物語にも登場するなど、日本では古くから親しまれてきました。南北海道から九州まで広く分布していますが、主な生産地は千葉、三重、長崎で、この3県で国内収穫量の60%以上を占めます。国産品は100%天然ですが、韓国や中国からの輸入品はほぼ養殖もの。現在日本で流通しているひじきの5割は韓国産、中国産が3割、国内産は2割となっています。ひじきは岩場に生息して根を張り、生えてくる茎と葉を収穫しますが、芽が生え始めるのは10月頃。成長した12~4月頃までが収穫期となっています。

「芽ひじき」と「長ひじき」の違いとは?

海から収穫したままのひじきは渋みがあり、そのままでは食べられません。水で洗ってから釜で4~5時間蒸し煮し、その後に天日干しされたものが乾燥ひじきとして流通しています。店頭で「生ひじき」として売られているものは、そのままのひじきではなく、乾燥ひじきを戻したものがほとんどです。「芽ひじき」は葉の部分で細かく、柔らかくて口あたりがいいので、サラダやひじきご飯に向いています「長ひじき」は「茎ひじき」とも呼ばれる茎の部分で、葉ひじきに比べて太くて長く、歯ごたえがあるので、炒め物や煮物に向いています。

写真:今回の食材長寿を支える栄養素がギッシリ!

「ひじきを食べると長生きする」と古くから言われ、敬老の日にちなんで9月15日は「ひじきの日」とされるほど、ひじきには身体に必要な栄養素がギッシリ詰まっています。特に多いのはミネラルで、カルシウムと鉄の含有量は海藻類の中でもトップクラス。さらに、カルシウムとともに骨や歯の発育を促すマグネシウムやマンガンも多く含まれています。カルシウムは動物性たんぱく質と一緒に摂取すると吸収率が高まります。また、ひじきに含まれる非ヘム鉄と呼ばれる鉄も吸収率が悪いのですが、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂取すると吸収率がアップします。ひじきは低カロリーで食物繊維が多く、体脂肪が気になる人でも安心して食べられるので、豚肉や野菜と一緒に炒め物や煮物にして、たっぷり食べてください。

黒ければ黒いほど良質なひじき!

乾燥ひじきを選ぶときは、光沢があって大きさが揃い、色ムラのないものを選ぶようにしましょう。また、色が黒いほど、良質なひじきとされています。乾物は湿気に弱いので、袋に入っていたものはビンなどに移し替えてしっかり密閉し、日のあたらないところで保存します。使うときは、一度洗ってから、30分ほど水につけて、ふっくらと弾力が出るまで戻します。水に長時間つけ過ぎると、栄養素が溶け出す恐れがあるので注意しましょう。生ひじきはふっくらとして深みのある黒色のものを選び、日持ちしないので、冷蔵庫に保存してできるだけ早めに使い切ります。使う前に、一度茹でこぼしたほうが良いでしょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

低カロリーで、体内の余分な老廃物を排出する食物繊維を多く含むひじき。貧血予防に欠かせない鉄などのミネラルを多く含み、ダイエットが気になる女性の味方として知られています。また、ひじきは女性だけでなく、成長期の子どもにも積極的に食べてほしい食材です。甲状腺ホルモンをつくるヨウ素が多く含まれ、甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にすることで成長を促してくれます。骨をつくるカルシウムや、たんぱく質の合成に欠かせない亜鉛も豊富です。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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