写真:今回の食材卵焼き、卵とじ、オムレツ...日本人は卵が大好き!

朝食の定番・卵かけごはん、お弁当のおかずの卵焼き、親子丼などの和食、さらにオムレツなどの洋食と、日本人は卵が大好き。1年に1人300個以上も食べているほどで、世界2位の消費量です。卵は江戸時代から一般的に食べられるようになり、卵売りも登場しましたが、まだ庶民には高嶺の花でした。養鶏技術が発達し、手ごろな値段になったのは昭和30年頃から。たんぱく質を積極的に食べることが推奨され、手軽なたんぱく源として卵がもてはやされました。ここ50年間で一般家庭の実収入は40倍になり、米の値段も6倍になりましたが、卵の値段は1.2倍程度。「物価の優等生」と言われています。

赤い卵と白い卵の違いは?

卵の殻は白と赤がありますが、親鳥の種類によるもので栄養価に違いはありません。赤い卵を産む鶏の方が飼料を多く食べるうえに、産む卵の数がやや少なく生産効率が悪いため、赤い卵のほうが高値になっています。また、黄身の色が濃いほど栄養価が高いと思われがちですが、黄身の色は食べている飼料によるので、こちらも栄養価の違いはありません。まれに黄身が2個入っている卵に出会うことがありますが、これは卵を産み始めたばかりで生理機能写真:今回の食材が安定していない若鶏の産卵ではよく起こること。若鶏は小さい卵を産みますが、黄身が2個の卵は明らかに大きく、慣れた人が見ればすぐに判別できるほどです。生産時に選り分けられていますが、時々混じることがあります。

さまざまな栄養素を含む「完全栄養食品」!

卵はたんぱく質、ミネラル、ビタミンが豊富で「完全栄養食品」を言われるほど。卵のたんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく含み、たんぱく質の良質さを示す「アミノ酸スコア」において、牛乳と同様に「アミノ酸スコア100」となっています。白身は9割近くが水分で残りがたんぱく質ですが、黄身は5割近くが水分で、残りはたんぱく質と脂質から成ります。この黄身の脂質には、脳を活性化し認知症予防や学習能力アップが期待できるコリンや、動脈硬化などの生活習慣病予防に効果的とされるレシチンなど、さまざな効能がある成分が多く含まれています。

高温を避け、振動のない冷蔵庫で保存!

卵を選ぶときは、殻の表面がきれいでヒビ割れのないもの、賞味期限まで日のある新鮮なものを選ぶようにしましょう。卵は高温に弱いため、特に夏は室温に置くとあっという間に鮮度が落ちるので、すぐに冷蔵庫に入れるようにします。冷蔵庫ではできるだけ容器に入ったまま、とがったほうを下にして、振動がないところに置くようにしましょう。ドアポケットに卵を入れるスペースがある冷蔵庫がありますが、ドアポケットは開け閉めの振動でヒビが入る恐れがあり、避けたほうが無難です。賞味期限は「安心して生食できる」期限なので、食べられなくなる期限ではありません。賞味期限が過ぎてしまったら、できるだけ早く加熱して食べるようにしてください。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

良質なたんぱく質など栄養価に優れ、保存性もあり手軽に調理できる卵は、日本の食卓に欠かせない便利な食材です。栄養価が高いことは知られていますが、その一方で高コレステロールにつながるとも言われてきました。しかし、健康な人であれば大きな影響はありませんし、卵に含まれる脂質の一種レシチンには血液の流れをスムーズにして血中コレステロールを正常に保つ働きもあります。コレステロールを気にして避けるよりは、卵の高い栄養価を摂取したほうが良いでしょう。ただし、高コレステロールを指摘されている人は、医師や専門家の指示に従ってください。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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