学校給食の牛乳は、戦後の食料不足がキッカケ!

写真:今回の食材学校給食に採用されるほど、その栄養価の高さが知られる牛乳。日本には飛鳥時代に朝鮮半島から伝えられ、薬用として飲用されていた記録が残っていますが、平安時代以降は仏教の普及とともに牛乳を飲む習慣は廃れていきました。江戸時代中期から徐々に栄養価の高さが知られるようになりましたが、一般に普及したのは明治時代に入ってから。さらに戦後、極端な食料不足に陥ったことで、ユニセフやアメリカの民間団体から児童たちの栄養補給目的で脱脂粉乳が学校向けに寄付されるようになり、お湯で溶いたミルクが学校給食として定着しました。昭和30年代に脱脂粉乳から牛乳に変わり、容器もガラス瓶から軽くて扱いやすい紙容器が主流になっています。

「成分無調整牛乳(牛乳)」「調整牛乳」「加工乳」の違いは!?

「牛乳」と呼べるのは、生乳100%の原料のものだけです。パッケージの側面に「種類別」との表示欄があり、「成分無調整牛乳(牛乳)」は搾乳した生乳を殺菌しただけのもので、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上を含んでいます。「成分調整牛乳」とは生乳から成分の一部を取り除いたもので、脂肪分を生乳から取り除いた「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」は、その分カロリーが無調整のものよりも低くなっています。「加工乳」とは生乳などの決められた乳製品の原料に、脂肪分やビタミン・カルシウムなどの成分を添加したもの。写真:今回の食材一般的に乳脂肪分が高いほどコクがあり、濃い味わいになります。

牛乳のたんぱく質は「アミノ酸スコア100」!

栄養補給目的で学校給食に取り入れられたように、牛乳には身体に欠かせない栄養がたくさん詰まっています。特に身体をつくるたんぱく質が豊富なことで知られていますが、牛乳のたんぱく質は体内で生成できない必須アミノ酸のバランスに優れ、100に近いほど良質な食品といわれる評価指標「アミノ酸スコア」において、「アミノ酸スコア100」であることから、積極的に取りたい食品といえます。また、牛乳のカルシウムは、小魚や野菜など他のカルシウム豊富な食材に比べて吸収率が良いので、効率的にカルシウムを摂取できます。これは、牛乳に含まれる乳糖やアミノ酸の一種リジンなどにカルシウムの吸収を助けるはたらきがあるためです。また、ビタミンもバランス良く含まれ、特に抗酸化作用がありアンチエイジングに欠かせないビタミンA、皮膚や髪を健康に保つビタミンB2が豊富です。

殺菌法により味わい・価格・賞味期限の違いあり!

日本の店頭に出回っている牛乳の90%以上は120〜130度で高温加熱した「超高温瞬間殺菌(UHT法)」で作られています。75度前後で15分ほど加熱する「高温短時間殺菌(HTST法)」、63度前後で30分ほど加熱する「低温保持殺菌(LTLT法)」は、手間がかかり賞味期限も短いので流通量は少なく価格も高めですが、低温で殺菌するほど生乳の風味に近くなると言われています。また、表示されている賞味期限は未開封状態でのもの。開封したらしっかりとフタをして、できるだけ早く飲み切るようにしましょう。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

牛乳はたんぱく質、ビタミン、カルシウムなどのミネラルが豊富で、飲むだけで手軽に摂取できる栄養的に優秀な飲み物です。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする時がありますが、これは乳糖を分解する消化酵素のはたらきが弱いため。長く牛乳を飲まない習慣があった日本人は、大人になるとこの消化酵素が減り「乳糖付耐症」になる人がいます。子どもの頃は飲めたのに大人になって飲めなくなった人は、牛乳が冷たいことにより過敏になっていることも考えられるので、温めて飲むほうが胃腸にかかる負担が少なくなります。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

  • 前へ
  • 次へ