「寒平目」の冬が旬!

淡白でありながら上品で繊細な味わいの平目は、鯛に匹敵する高級白身魚です。平べったい魚体で、似たような鰈(かれい)と混同されがちですが「左カレイの右ヒラメ」と言われ、平目は左側に目が寄っています。普段は砂の中から頭だけ出していますが、餌の小魚を見つけると、俊敏にジャンプして捕食する肉食系。ゴカイなどの虫を主に食べる鰈と比べて口が大きく、歯も大きく鋭いのも特徴です。日本沿岸に生息し、全国で水揚げされますが、漁獲量が多いのは青森県、北海道、長崎県。天然ものの旬は「寒平目」と呼ばれるように12月、1月の冬で、特に1本釣りのものは高値で取引されます。

ブランド化が進む養殖をチェック!

平目は鰈に比べて成長が早く、値段も高いので、養殖が非常に盛んです。天然平目は身の裏側が白いのに対し、養殖は黒っぽい斑があることから見分けがつきますが、近年は養殖技術が発達し、味わいに差がなくなってきたと言われています。特に大分県、愛媛県で養殖生産量が多く、大分特産のかぼすを餌に加えた「かぼすヒラメ」、ハーブをブレンドした餌で育てた愛媛県三瓶町の「ハーブ媛ひらめ」など、各地でブランド化が進んでいます。以前は春夏の平目は味が落ちるとされてきましたが、活きのままや活き締めで鮮度を保って輸送できるようになり、春夏もおいしい養殖平目が出回っています。

エンガワにはコラーゲンたっぷり!

平目は形だけでなく栄養価も鰈とよく似ていて、高タンパク低脂肪で、消化の良い食材です。赤ちゃんから高齢者まで、さらに体脂肪を気にしている方にも安心しておススメできます。ビタミン、ミネラルをバランスよく含みますが、比較的ナイアシンが多く含まれます。ナイアシンはたんぱく質、脂質、糖質を分解しエネルギーに変えるのを助け、皮膚や粘膜を健康に保つ栄養素です。また、背びれ付近の「エンガワ」と呼ばれる部分には、皮膚にタンパク質として40%ほど含まれているコラーゲンが豊富。コラーゲンは目の潤いを保ったり、血管を強くすると言われています。エンガワにはさらに、関節などの痛みを軽減すると言われるコンドロイチンも含まれているので、さまざまな面でアンチエイジング効果が期待できます。

「昆布締め」はひと味違うおいしさ!

平目を選ぶときは、身体の表面にぬめりがあり、光沢があるものを選ぶようにしましょう。冬の旬の時期は、大きくて肥えているものほど美味。春から夏にかけては、1キロに満たない「ソゲ」と呼ばれる小型のものの方がおいしいと言われています。大型で新鮮な一匹ものは表裏にあるウロコをきれいに取り、背骨を中心に切り開いて5枚におろし、刺身にします。できるだけその日のうちに食べた方が良いですが、昆布を挟んだ「昆布締め」にすると2〜3日はもち、身が締まってひと味違うおいしさ。アラも酒蒸しや唐揚げにして食べましょう。1キロ未満の小型のものは、唐揚げ、煮付け、ムニエルなど、幅広い調理法で楽しめます。

スペシャリストが直伝!美味食材アドバイス

写真:藤森明子さん


スペシャリストが直伝!
美味食材アドバイス

刺身や寿司ネタとして人気の平目。高級魚として知られていますが、特に人気の高いのがコリコリとした独特の食感の「エンガワ」。平目の身は低脂肪ですがエンガワには脂が乗り、コクのある味わいも魅力です。貴重な部位で、寿司にすると平目一匹から4貫分しか取れません。回転寿司などでエンガワとして安価に出回っているものは、カレスガレイやオヒョウなど、代用魚のひれ部分であることがほとんどです。洋食のムニエルでおなじみの舌平目もカレイの仲間で、平目とは別の種類の魚です。

写真:藤森明子さん

藤森明子さん

食品メーカーに勤務後、料理教室の講師を経験。その後は栄養士として勤務。
1995年に管理栄養士を取得。
現在はマダムマーサ・クッキングスタジオや調理師専門学校の講師、食品メーカーの試食作り、食育イベント、保健指導などで活躍中。

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