梶原さんの父は完熟の柚子と赤唐辛子を使った
「赤」柚子こしょうを開発

−梶原さんが柚子こしょうを作り始めたのはいつですか?

梶原さん:うちは農業の傍ら、まんじゅうやちまきを作っていて、父が柚子こしょうもわずかではありますが作っていました。このあたりは高塚愛宕地蔵尊の参拝客へのお土産として、40年ほど前に開発された「柚子こしょう発祥の地」と言われています。早熟の柚子と唐辛子を使った緑色の柚子こしょうが一般的に知られている「柚子こしょう」ですが、うちで言う「青」は、うちのおばあさんが作っていて、父がそれを受け継ぎ「赤」を開発しました。私は10年ほど前から、柚子こしょうを作りはじめて、おばあさんと父のこしょうの良いところを合わせた「合わせ」の柚子こしょうを開発したんです。「合わせ」は、親子三代の結晶というべき商品なんですよ。

−最初から現在のような製法だったのですか?

梶原さん:いえ、最初は、父の作り方をベースにしながら、自分なりの考えを取り入れた柚子こしょうを作り始めました。父はあまり多くの柚子こしょうを生産していたわけではありませんでしたが、常連のファンの方がいて、私が作った柚子こしょうを届けたら「いつもと味が違う!」と電話でクレームが来たこともありましたね。その時はさすがに落ち込みました。

父親の作り方をベースにしながら、「自分だけの」柚子こしょうを
作り上げた

−苦労されたのですね。

梶原さん:そうですね。ですが、自分の理想とする柚子こしょうを作ろう、という気持ちだけは持ち続けて、柚子と唐辛子の契約農家も、自分の考え方を理解してもらいながら、無農薬のものを作ってもらえるようにお願いして一軒ずつ開拓し、徐々に「自分だけの」柚子こしょうを作り上げていきました。最初は門前払いされたこともありましたが、人と人との付き合いをしながら、自分という人間を理解してもらって協力していただけるようになりましたね。

さまざまなハードルを乗り越えながら作られた梶原さんの柚子こしょう。この味わいを届けるために、梶原さんには「譲れないポイント」があります。