水を1滴も使わず、生姜汁と砂糖だけで仕上がったあわせしょうが。水を1滴も使わず、
生姜汁と砂糖だけで仕上がったあわせしょうが。

-「あわせしょうが」は、菓子職人だった先代から受け継がれたものだそうですが。

吉本さん:そうです。当時から全く変わらない原料と製法で作っています。父が菓子を作っていた頃は添加物や保存料などはそもそもありませんでした。天然の原料のみでお菓子を作っていて、それがおいしくてある程度日持ちするものだった。だから当時のレシピのまま作れば、添加物や保存料を加える必要はないんです。今は、無添加、無着色の食材がもてはやされる時代ですが、私にとってはあたりまえのことなんですよ。

-手間はかかっても「昔のまま」を続けることが大事なのですね。

吉本さん:生姜湯のもとやシロップは、他にもさまざまな銘柄があります。でもたいていのものは、さまざまな香りや添加物を「加えていく」という発想です。一方、私たちは原料も製法も「どれだけシンプルにできるか」を突き詰めていますから、新しいものを加える必要はありません。愛用してくださるお客様の中には「実は他の商品を試してみたけれど、やっぱり吉平商店のあわせしょうがに戻ってきた」という方もいて、長く愛されていることを実感できるのはやはりうれしいですね。

「素材と製法。どちらも昔からひとつも変えません」と力強いまなざしで語る吉本さん。「素材と製法。どちらも昔からひとつも変えません」と
力強いまなざしで語る吉本さん。

-吉本さんが考案された「冷やしあめ」もコクがあってとてもおいしいです。

吉本さん:冷やしあめは、もともと関西や四国の一部の地域で、夏の定番として人気のある飲み物です。うちの冷やしあめは黒糖や三温糖、蜂蜜などを加えたオリジナルのレシピで作っていますが、あわせしょうがに比べて甘味に深い味わいがあり、生姜の力強い辛味とバランスのとれた、非常に滋味のある味わいが特徴です。暑い時に冷たい水やソーダで割って飲むと、体の中から疲れや暑気がすーっととれるような感じがしますね。

先代から受け継ぐ味をベースに、昔のままの味を守り続ける吉本さん。
この味を次世代へ受け継ぐために、職人の育成にも力を入れ始めています。