一つ一つ丁寧に揚げられるじゃこ天。
鳥津さんの絶え間ない研究の結晶だ。

−ホタルジャコと塩だけのじゃこ天の他にも、醤油を使った無添加のじゃこ天も生産されていますね。

鳥津さん:最初は、塩だけだったのですが、とても良い醤油に出会ったことで新たに作ったのですが、これがなかなかうまくいかなかったんですよ。

−うまくいかなかった理由は何だったんですか?

鳥津さん:塩味の無添加じゃこ天を完成させてから、次なる味の開発にチャレンジしようと、いろいろな調味料を試していたんですね。もちろん、伝統的な自然の調味料で、味噌や出汁、醤油ももちろん試しました。鮮魚と醤油の相性は当然ピッタリだったのですが、問題は醤油が液体のため、温度管理が難しいこと。夏場は温度調整のために氷を入れてじゃこ天を作るのですが、液体を加えるためには氷の量を減らさなくてはならないので、その調合が難しくて失敗続きでした。

−何度も失敗を繰り返しながら、それでもチャレンジを続けた理由は?

「職人の意地」で、醤油味の無添加じゃこ天を
作り上げた鳥津さん。

鳥津さん:それはやはり、職人としての意地ですね!まずは醤油を知るところから始めようと、これは!と思う醤油蔵まで押しかけました。すると、そこで若き十三代目の梶田泰嗣さんが同じようにチャレンジをして、無添加の丸大豆醤油を完成させていたんですよ!難しいとか無理だとか決めつけずに職人の意地でやるしかない!と気持ちが奮い立ちました。こうした地元の人たちとの出会いを経て、醤油味の無添加じゃこ天ができあがったのです。

背筋をピンと張り、まっすぐに職人としての情熱を語る鳥津さん。
父の背中を見て育ち、職人としてのキャリアを重ねる中で培った、揺るぎない信念が感じられます。