表面がパリっと焼き上がったほろ酔い鶏は、自家製糀の香りがなんとも食欲をそそる。表面がパリっと焼き上がったほろ酔い鶏は、
自家製糀の香りがなんとも食欲をそそる。

−糀を使った料理、「ほろ酔い鶏」も評判だそうですが。

青木さん:「ほろ酔い鶏」は、北陸で育った鶏の肉を自家製の糀に1週間ほど漬け込み、タイムやバジルなどのハーブでアクセントを加えて焼き上げた料理です。糀は、かぶら鮨やだいこん鮨といった金沢伝統の料理にも欠かせない大切なものです。

−鶏肉の水分がほどよく残り、旨みや甘さが感じられます。

青木さん:鶏肉を糀に漬け込むことで、肉に旨みが加わるだけでなく、肉が持つ甘味やコクが引き出され、ただグリルした肉とは段違いのおいしさになりますね。食材の持ち味を最大限に引き出してくれるのが、糀のすばらしいところです。

自家製の糀で地鶏をじっくり1週間漬け込むことで、地鶏の持ち味と旨みがぎゅっと凝縮される。自家製の糀で地鶏をじっくり1週間漬け込むことで、
地鶏の持ち味と旨みがぎゅっと凝縮される。

−温かくても、冷めてもおいしくいただけます。

青木さん:鶏肉に旨みが凝縮されて水分のバランスもほどよく保たれているため、冷たいままでもやわらかな食感が楽しめます。おもてなしのお重やお弁当に入れるのもおすすめですよ。少し贅沢ですが、チャーハンやスープの具にするとコクのある味わいになり、とてもおいしくなります。

−糀は自家製で仕込んでいらっしゃるのですね。

青木さん:生家が造り酒屋ということもあって、糀は私の食生活に欠かせないもの。上質な糀の香りや風味が、身体に染みついているんです。伝統料理を研究し、伝えていく立場になった今も、やはり糀を人任せにすることはできません。糀の仕込みは想像以上に大変で、寒い日も仕込み蔵での作業が何日も続きます。部屋の温度や湿度、食材の一つ一つによっても微妙に味が変化してしまうので、毎年とても神経を使います。

北陸の豊富な食材や、育った環境で磨かれた味覚が、青木さんの食のルーツ。
ご自身が主宰する料理教室では、たくさんの生徒さんが育っているそうです。