ネットセキュリティ 2014年12月24日

第171回 【インタビュー】情報セキュリティのプロに聞く!最新サイバー犯罪の手口と対策

こんにちは。今日はクリスマスイブですね。昨日の祝日を利用してホームパーティーをされたり、クリスマスイベントに参加されたりした人も多いのではないでしょうか?でも、やはり今日が本番。すてきなディナーやプレゼントの準備でワクワクしますよね。お正月準備や年賀状など、年内にやるべきことはたくさんあるので、羽目を外しすぎて体調など崩さないように気をつけたいと思います。

2014.12.24更新

 IDの乗っ取りや不正アクセスなど、サイバー犯罪は、インターネットを使っている以上、他人事ではありません。メールやグリーティングカードを送る機会が多い年末年始に、最新のサイバー犯罪の手口と対策を、セコムグループで情報系事業を担うセコムトラストシステムズ㈱の情報セキュリティのプロに教えていただきました。

増える「なりすまし」には要注意


サイバー犯罪対策について教えてくれた
セコムトラストシステムズ㈱のご担当者

Q:最近多いサイバー犯罪には、どのようなものがありますか。

A:IDやパスワードを盗んだなりすましが多いですね。
SNSはもちろん、フリーメールなど、IDとパスワードを盗み取りその人になりすまして、メールのやり取りなどが行われます。盗んだIDとパスワードを悪用し、詐欺などの犯罪に利用されてしまう可能性もあるとても怖い犯罪です。
 また、覚えるのが大変だからと、同じIDとパスワードを使用していると、1つが流出するだけで、そのIDとパスワードを使っているほかのサイトも不正利用される危険性があります。
 盗んだIDとパスワードを使い、ポイントの不正利用で知らないうちに買い物をされたり、個人情報を盗まれてしまったり、クレジットカードが不正に使用されたという事例もあります。

Q:ネットバンキングを狙った不正送金が急増しているようですが、ネットバンキングを利用するときに気を付けることは何でしょうか?

A:パソコンやアプリを最新の状態に保って、ウイルスの感染を防ぐことが大切です。
 但し、そこまでしても完全には防ぐことは出来ません。そこで、セコムでは、ネットバンキングの不正送金被害を防ぐための「セコム・プレミアムネットサービス」というサービスを始めました。セコムトラストシステムズが開発した専用端末(USBメモリー型デバイス)を使うことで、利用するネットバンキングのサイトまで安全に誘導するので、安心してネットバンキングを利用することができます。このサービスは個人向けも提供を開始しましたのでぜひ、利用していただき安心してインターネットバンキングを活用してほしいと思います。

聞きなれないウイルス「ランサムウエア」とは

Q:サイバー犯罪の手法は日々巧妙化していると聞きます。新種のウイルスもあるとか?

A:世界で広がりを見せていて、これから日本でも広がると思われるのが、「ランサムウエア」です。感染するとパソコンやサーバに保存してある文書ファイルが暗号化され読めなくしてしまうウイルスです。
 元の文書にもどすのと引き換えに金銭を要求してくるので、"ランサム"、つまり"身代金"ウイルスと呼ばれています。お金を支払ったとしても、相手は犯罪者ですから元に戻してはくれません。

Q:ランサムウエアに感染しないようにする方法はありますか。

A:ウイルス対策ソフトを入れておくのは大前提で、感染した場合のために、データのバックアップを取っておくことをおすすめします。感染してからバックアップをとっても、暗号化された状態なので、意味がありません。大事なデータは、定期的にバックアップを取り、別に保存しておくことが重要です。

Q:ランサムウエアは、まだ認知度があまり高くないと思いますが、今のうちにバックアップをとる習慣をつけておく方が安心ですね。ほかに気をつけておくことはありますか。


ウイルス感染のデモ体験!
相手のPC(奥)から送られてきたファイルを
自分のPC(手前)で開いてみると・・・

A:知人になりすました別人からメールが送付され、添付されていたファイルを開いただけで遠隔操作ウイルスに感染し、相手に自分のPCの中身がすべて見られてしまうという犯罪もあります。
 さらに、ウェブカメラがついていたら、カメラを操作され、部屋の中の様子などがそのまま相手に見られてしまう可能性もあります。

Q:それは怖いですね・・・。もし、自分のPCがウイルスに感染しているかもと思ったら、どうしたらいいでしょうか。


ウイルス感染のデモ体験!
自分のPC(手前)のカメラが遠隔操作され、
相手(奥)のPCで画像が見られてしまい
ました!

A:自分でできる対策としては、PCを初期化、つまり買った時と同じ状態にすることですね。それも難しい場合は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の相談窓口に連絡すると、感染した場合などにも相談にのってもらえます。

Q:普段、気にせず使っていますが、危険がいっぱいなんですね。読者の皆さんにメッセージをお願いします。

A:インターネットは便利ですが、使う側が便利なのは、攻撃する側にとっても便利ということにもつながります。"大切な情報を持っていないし、盗まれるものもないから自分は大丈夫"と思って何の対策もしないでいると、攻撃されても気づかない危険性も出てきます。また、感染したPCが企業などのシステムを攻撃する踏み台として利用され犯罪者の片棒を担がされる危険性もあるのです。
 防犯対策と同じ、ネットセキュリティの意識も忘れずに持ってください。


2014年もコラムを読んでくださってありがとうございました。
来年もさらに、皆さんが"防犯"についてより身近に感じ、役に立つ情報を発信していきますので、「あんしんライフnavi」をよろしくお願いします。
よいお年を!

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