防犯のキホン

居空き・忍び込み対策

「泥棒」と聞くと、留守宅に侵入する「空き巣」をイメージされると思いますが、実はそれだけでなく、住人が在宅時に侵入する手口もあります。「空き巣対策」はもちろんですが、在宅時にもしっかりと防犯対策をすることが重要です。

在宅中に侵入されると身に危険が及ぶ可能性も

「泥棒」=「空き巣」と思いがちですが、留守のときにしか入られないとは限りません。泥棒の種類は侵入のタイミングで3つに分けられます。

  • 空き巣...留守宅に侵入するもの
  • 居空き...在宅時に侵入するもの
  • 忍び込み...就寝時に侵入するもの
住宅侵入窃盗の手口別認知件数(2022年)(2023年警察庁データ)
住宅侵入窃盗の手口別認知件数(2022年)
(2023年警察庁データ)

たとえば、2階リビングで家族団らんで過ごしているときに、不在となる1階の部屋から侵入され金品を盗まれるケース。これは「居空き」にあたります。また、住人が寝ているときに侵入するのが「忍び込み」です。
円グラフのとおり、住宅侵入窃盗の手口では圧倒的に「空き巣」の割合が多いものの、住人がいる時に侵入する「居空き」と「忍び込み」は全体の3割以上を占めています
泥棒と鉢合わせてしまうと、身に危険が及ぶ可能性も高くなります。特に体力的に弱い立場にある女性の場合は抵抗することが困難なため、「居空き」「忍び込み」の対策が必須なのです。

また、侵入経路を見てみると、カギの掛かっていない「無施錠」のドアや窓からの侵入が第1位。「つい、うっかり」や「短い時間だから」と、戸締り忘れには要注意です。そして、次に多いのが「ガラス破り」となっています。窓ガラスの防犯対策もしっかりとしましょう。

侵入窃盗の発生場所別の侵入手口(2022年)(2023年警察庁データ)
侵入窃盗の発生場所別の侵入手口(共同住宅・2022年)
(2023年警察庁データ)

泥棒が嫌がる部屋・環境づくり

ポイントは、泥棒などの不審者が嫌う「人の目」「光」「音」を意識して対策をすること。「泥棒を近づかせない家づくり」が重要です。

1.在宅時も、不在になる部屋は必ず施錠

住宅への侵入手口で最も多いケースが「無締り」。カギが開いていては、泥棒が手間取らずに侵入できてしまいます。不在になる部屋や、目が届きにくい部屋は、必ずカギをかける習慣をつけましょう。特に、換気のために開けることも多いお風呂場やトイレは、小さな窓だからといってうっかり開けっぱなしにならないよう、十分に注意が必要です。

2.窓ガラスの防犯対策を強化

泥棒の侵入経路で、毎年、上位の常連である「ガラス破り」。「ガラス破り」と聞くとガラスが割れる大きな音をイメージするかもしれませんが、クレセント錠の周辺を小さく割るだけでも簡単に侵入できてしまいます。このようなガラスが割れる音は日常の雑音にかき消され、気づかない場合も。破られにくい防犯ガラスにすることが理想ですが、防犯フィルムを一面に貼ることも効果的です。

3.防犯グッズを有効活用

女性でも手軽に設置できる防犯グッズが市販されています。オススメは、窓の上部に補助錠を設置すること。万が一、泥棒が不正に開けようとしても、補助錠が上部に付いていると立ち上がっての作業にならざるを得ないため、周囲の目が気になって不都合だからです。
また、窓ガラスの振動や開閉を検知すると警報音が鳴る防犯グッズなどを設置するのも有効です。

4.ベランダや窓周りなどに足場となるものを置かない

泥棒は、2階以上の部屋にも侵入します。侵入されないためには、家の周囲に足場を作らないようにすることが鉄則です。ベランダや窓周りにエアコンの室外機を置かない、自転車や足場となるモノを出しっぱなしにしないことが重要です。また、集合住宅の場合は、敷地内にある自転車置き場の屋根や、自転車などを足場にされてしまう場合もあるので、注意が必要です。

5.ホームセキュリティを導入

不正に窓を開けられた際に警報音と同時にセキュリティ会社に自動通報したり、在宅時に「怖い!」と思ったときに非常ボタンを押すと、安全のプロが駆けつけてくれる「ホームセキュリティ」を導入することも有効です。最近では、賃貸住宅にも「ホームセキュリティ」が標準で導入されている場合があるので、お部屋を選ぶときにチェックしてみてください。また、最初に導入されていない場合でも、大家さんや管理会社に相談してみるのも良いでしょう。

関連記事
SNSシェア
関連するカテゴリーを見る
住宅侵入
強盗
防犯グッズ